第10話 凛
「ヤッホー」
俺が教室に入ると今日一番元気であろう挨拶がかかってきた。
俺はそちらを向き、クラスメイトであり、友人である彼女に返事を返した。
黒色で肩甲骨から腰あたりにかけての長い髪。
混じりっ気のない日本人風の顔立ち。
清楚を連想させるその姿はクラスや学校の奴らからも好評だ。
そんな美人が朝から俺に何の用だろうか?
「おい、何の用だ。」
俺は面倒くさくなりそうぶっきらぼうに応える。
「はは、隆そりゃひどくないか。僕と君の中だって言うのに。」
「はぁ、ただの腐れ縁だろう。ただの幼馴染に対してそんな特別なこともないだろう」
「はは、確かにそうだとも。でも残念だな君とはあんなこともした仲だというのに……」
「おい、あんなことってなんだよ。もしかして俺やらかしたのか?責任を取らなくてはならないのか?何をやらかした俺は」
あいつは笑いながら
「何って、ナニだよ。ハハハ、冗談だよ。安心してくれボクと君の間になにもあるわけないだろう」
「それは当たり前だ。逆に何かあったら大変だ。」
「するわけないじゃないか唯一無二のボクの幼馴染に嫌われたら大変だ」
「安心しろ、もうすでに嫌いだ」
俺はさっきの仕返しとばかりに冗談を言う。
すると、あいつの目から光が抜けた。
真っ黒い不気味な目だ。
「隆がボクのこと嫌い……どうしよう……」
ずっとブツブツ言っているだけの人形になり始めたぞこいつ。
どうすりゃいいんだ⁉
「冗談だよ冗談。俺が凛を嫌いになるはずないだろう。」
するとあいつはさっきまでの顔が噓だといわんばかりの顔でとても元気よく応えた。
「そうだよね隆がボクを嫌いにならないよね」
そう、こいつとはずっと昔から一緒なのである。
流石に高校は違うかなと思っていた矢先にこれである。
まるで俺のすべてを観察して理解しているのではないかと思う。
そこまで考えたときに背筋に寒気が走ったのでこれでやめとこうと思う。
気を紛らわすために少し昔のことも思い出そう
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投稿遅れてすみません。
テストがあり、ずっと勉強してました。
また少しずつ投稿していきたいと思います。
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