第7話 過去 София(ソフィア)side
私の人生は色褪せていた。
毎日当たり前のように暴力を振るわれる。
辛い、痛い、寂しい、淋しい、虚しい、そんな感情が跋扈する。
なんで私がこんな目に?
お母さん、私何か悪いことした?
お父さん、私そんなにいけない子だった?
この時私の中で何かの擦り減るような音がした。
毎日蹴られた。
毎日殴られた。
毎日罵詈雑言を浴びせられた。
毎日毎日……
もう散々だ。
『プツン』
今まで私の中で必死にこらえてきた何かが切れた。
これが堪忍袋の緒が切れた、ということだろうか?
いや違うな。
これはまた別だ。
友人も家族も誰も信用できない。
何時しかそんな感情が私の中に芽生えた。
また元友人にいじめられていた。
そんな時だ。
私の前に彼が現れたのは……
彼はほかの人とは違う色を発していた。
周りの人が色の薄い……ないに等しい灰色なのに対し、彼の色はまるで太陽なように明るく光っていてそれでいてどんな光をも飲み干すブラックホールのように暗く誰もひきつけないような、矛盾した色だった。
私はその色に見入ってしまった。
彼は私をСофия(ソフィア)と呼んだ。
彼は私の世界に色を与えてくれた。
彼を見たその日のうちに私の生活は激変した。
彼は私を手当してくれた。
彼は私に優しくてくれた。
彼は私に愛をくれた。
彼は私に名前をくれた。
彼は私の世界を彩ってくれた。
彼は私を……彼は私に……彼は私の……彼は私を……彼は私に……彼は私の……彼は私……彼は私……彼は私……彼は私……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……彼は……
私は狂ったように彼のことを思い続ける。
そうだ。
彼だけが私に優しくしてくれた。
彼は親の都合で海外に行くと聞いた。
これを聞いたとき私の胸がどれだけ痛かったか。
だが問題ない。
私も彼についていけばいい。
そうすれば何も問題ない。
そうだ、何も問題ないんだ……
「ダメに決まっているだろ」
私の馬鹿な元親たち。
何も知らないくせに……
こいつらは本当にどこまで私を……
都合のいい時だけ親の面して、私の邪魔ばかりする。
「あいつのどこがいいんだ」
お前たちにあの人の何がわかるといいうのだ。
お前たちがあの人を語るな!
「こいつの恋は邪魔なものだ。どうにかならないものだろうか?」
私のあの人に対する気持ちが邪魔だと?
ふざけるな!
「そうだ、洗脳してしまえばいいじゃない」
私の母だったものが、わけのわからないことを言った。
父だったものもそれに賛成している。
やめろ!
ふざけるな!
お前たちが私とあの人との思い出に土足で這い上がってくるな!
やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!
やめてください。お願いします。お願いで……
気づけば私はうちの床で泣いていた。
なぜ泣いていたのだろう。
そして、なんだろうこの感覚は?
胸にぽっかり穴が開いてしまったような、それでいて、とてつもない何かで満たされているようなあいまいな感覚は?
「
「
まぁいいや。
Анастасия=София
なぜ私はこの時気づかなかったのか……
数年後
急にとても激しい頭痛がきた。
何なんだこの記憶は?
誰の記憶?
София(ソフィア)って、誰?
いや、ソフィアは私だ。
私の大切な思い出……
私の大切な人を穢した……
許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない
殺してやる
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ソフィアの復讐劇?の始まりです。
乞うご期待!
あと、ロシア語振り仮名振れました。
ごめんなさい。
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