第2話 ある夏の日の海での出来事(青春)
これは、作者が女子大生をやっていた頃に、田舎の祖父母の家に帰省した初日に見た夢である。夢の中でも、私は祖父母の家での初日を追体験していた。しかし、夢の中の私は女子高生だった。
どこからどう湧いたのかは分からないが、祖父母の家のリビングには、祖父母、私の母の他に何故か見知らぬ男の子が居た。
「○○くんよ。挨拶なさい」※
母に促されるまま、私は初めましてとお辞儀をした。こっちが丁寧に応対しているというのに、相手と来たら
「お前、なんでこんなところに来たんだよ」※※
何て言う始末。
失礼なやつだと思っていたけれど、私と同い年くらいのその男の子は意外と性格が合い、その夏を共に過ごした。海と商店街がメインの遊び場だったと記憶している。※※※
夏休みは短い。東京へと戻る日は近づいてくる。恥ずかしいと思いながらも、また会えるよね、なんて言ったりして。
しかし、その男の子はこう言ったのだ。
「この夏、俺との昔の想い出をアンタが思い出すことは一度たりともなかった。そんな子とは、もう二度と会えないかな」
そう言ってこちらを振り向いた彼の顔を見たときに、「この子知ってる」と感じた。
※※※※
そこで夢は終わっている。
『ある夏の日の海での出来事』――fin.
(注)
※名前は忘れてしまいました。
※※本当は方言です。正確に書くのが難しいので、標準語にしました。
※※※この辺はそこまでリアルな夢ではなく、なんとなく「そういうことになっていた」感じで夢が進んでいました。
※※※※知ってる、と感じたときの切ない気持ちがやたらとリアルな夢でしたが、実際にはたぶん知らない子です。
ちなみに何を隠そう、『夏、あのバスに乗って消えたものを探すなら』の原作となる夢でございます。
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