第3話 使命(1)

 ここはエムロックタウン。185年前の崩壊から時が流れ、町はまた平凡な日々が流れている。まるで何事もなかったかのように。ここには閃光の祠があり、よっぽどの事がない限り、そこには誰も近づかない。その祠にいる閃光神ルーネの怒りに触れる。


 ここはエムロックタウンの中心部。役場や商店が集まり、バスの終点もある。ここまで通じていた鉄道の痕跡は跡形もなく消え、鉄道なんてなかったかのようになっている。炭鉱の跡はかろうじて残っているが、徐々にそれも消え失せようとしている。


 春のある日の昼下がり。今日は快晴だ。この時期は公園の桜を見に多くの観光客が訪れる。その桜は、サラによって世界が救われた事を記念して植えられた。だが、それも作り話のように考えられるようになってきた。


 今日も多くの観光客が訪れている。この町に住む若者、ティム・ホプキンスも彼らの対応に大忙しだ。ティムは観光客のために屋台でたこ焼きを作っている。多くの人が並び、たこ焼きができるのを待っている。


 ティムは夏ではないのにタオルを首にかけている。朝から忙しくて、夏ではないのに汗をかいている。


「おい、ティム」

「何だい?」


 突然、近所の友達が声をかけた。何事だろうか? ティムは首をかしげた。


「来てみろよ」


 ティムは妻に後を任せて、友達についていく事にした。


 友達の実家のだんご屋にやって来た。今日もだんご屋は多くの客でにぎわっている。その中には、だんごを持ち帰って、桜を見ながら食べる人もいる。


 だんご屋の前のベンチには、赤ん坊が捨てられている。その赤ん坊はティムと同じウルフ族で、オオカミの姿をしている。まだ変身する力を制御できていないようだ。


「こ、これは?」

「す、捨て子か?」


 2人は驚いた。まさか、こんな所に赤ん坊が捨てられているとは。


「うむ・・・、この子は誰が育てようか?」


 ティムは頭を抱えた。自分には2人の息子がいる。2人だけでも子育てが大変なのに、あともう1人育てるなんて。しかも血のつながらない子供を。


「私が育てる」


 その時、ティムは雷鳴を聞いた。ティムは、その雷鳴を起こしたのは誰なのか知っていた。山奥に住む光の最高神、閃光神ルーネだ。


「どうしたんだ?」


 友達もその雷鳴に驚いた。何事だろうか?


「ルーネ様!」

「うむ・・・?」


 ティムは山から聞こえる声を聞いた。閃光神ルーネの声だ。


「ルーネ様、どうかなさいましたか?」

「ティム、そなたが育てろ!」


 閃光神ルーネは強気な声だ。何か大事なことを知っているようだ。だが、何なのか話さない。


「そんな・・・」


 ティムは頭を抱えた。結局育てるとは。だが、閃光神ルーネの命令だ。逆らえない。逆らったら天罰を食らう。


「私の決断だ。逆らうな!」

「は・・・、はい・・・」


 ティムはひざまずいた。閃光神ルーネの前では抵抗できない。


「この子の名も決めている。シンシア・アイソープだ」

「シンシア・・・」


 まさか名前も決めているとは。ティムは驚いた。どうしてだろう。何か大切な理由があるんだろうか?


「かしこまりました!」


 それ以来、ティムはその赤ん坊をシンシアと名付けて育てることにした。その赤ん坊が15年後、世界を救う旅に出ることを知らずに。




 それから15年後、シンシアは高校生になった。この年から町を離れてサイレスシティの高校に通っている。初めての下宿で、とても緊張していたが、あっという間に慣れた。


 シンシアは育ての父親のティムをおじさんと呼び、閃光神ルーネをお父様と呼んでいた。様々な魔法を教えてくれた閃光神ルーネを尊敬し、自分を大きくしてくれた。だから、閃光神ルーネをお父様と呼び、敬意を表している。


 最初、神をお父様と呼ぶシンシアにティムは戸惑っていたが、徐々に慣れてきた。ティムの2人の息子はすでに独立し、リプコットシティで働いている。


 夏休みに入り、里帰りしていたティムは、高校の同級生、レイラを連れてエムロックタウンを案内していた。同級生はエムロックタウンに行ったことがなかった。


 レイラはドラゴン族で、赤いドラゴンに変身することができた。力はそんなに強くないが、信頼は厚い。


 昨日の夜は雨だったが、今日は快晴だ。夏のエムロックタウンはのどかだ。桜の時期とは違って、あまり人がいない。


 シンシアは朝から出かけようとしている。夏休みを迎え、久々に故郷に帰ったので、閃光神ルーネにも顔を見せようと思っていた。


「シンシア、朝からどうしたの?」


 レイラは驚いた。こんなに朝早くからどこへ行こうというんだろう。


「お父様に会ってくるから」


 シンシアは笑顔を見せた。久々に閃光神ルーネに会える。元気にしているだろうか?


「えっ、お父さんに会えたの?」


 レイラはシンシアがティムの養子だと知っていた。まさか、お父さんに会えたんだろうか?


「いや。本当のお父さんじゃないんだ」


 シンシアは照れくさそうな表情だ。父と思ってくれるんだろうか? ティム同様、血のつながりがないし、子供とは無縁だから。


「シンシアがお父さんっていてる人、誰かな?」


 レイラは思い浮かべた。優しい人だろうか? 怖い人だろうか?


「会いたい?」

「うん」

「じゃあ、行こう」


 2人はそこへ向かう事にした。レイラはワクワクしていた。


 2人は町を離れ、山に向かった。その先の山は、普段誰も立ち入ろうとしない。近づくと、山の神様の怒りに触れると言われている。だが、なぜかシンシアだけは大丈夫で、この町に住んでいた頃はよく立ち入っていた。お父様と呼ぶ存在に会うために。


「誰もいないわね」

「でしょ? ここは誰も近づこうとしないの。行ったら、山の神様の怒りに触れるから」


 シンシアは笑顔を見せた。普通に行けるからそんなに問題ない。それに、父のような人に会えるから、とても嬉しい。


「大丈夫なの?」

「私は大丈夫なの」


 レイラは驚いた。どうしてシンシアが入れるんだろうか? シンシアは何か特別な子じゃないかな?


「シンシア、あなた特別な子なの」

「そんなこと教えてもらったことない。普通の女の子だと思ってる」


 シンシアは普通の女の子のように育ててもらった。なので、自身も普通の女の子だと思っていた、お父様と呼んでいる人の事以外は。


 2人は雑木林に入った。雑木林は静かだ。この雑木林は、シンシア以外誰も入ろうとしない。山の神様を恐れている。


「静かだね」

「でしょ?」


 2人は辺りを見渡した。ひょっとしたら、魔物が襲い掛かってくるかもしれない。


 その時、敵が襲い掛かってきた。黄色いドラゴンと2匹の赤いオオカミだ。


 シンシアが拳を握り締めると、シンシアの体が徐々にオオカミに変わっていく。顔が犬になり、尻からは尻尾が生える。


 レイラが拳を握り締めると、レイラの体が徐々にドラゴンになっていく。顔が徐々に恐竜のようになっていき、背中からは羽が生える。足は太くなり、尻からはトカゲのような長い尻尾が生える。


「炎の力を!」


 シンシアは魔法で火柱を起こした。3匹はダメージを受け、1匹の赤いオオカミの体に火が点いた。


「グルルル・・・」


 レイラは氷の息を吐いた。3匹はダメージを受け、1匹のオオカミは氷漬けになった。


「ガオー!」


 赤いオオカミはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンはレイラに噛みついた。だが、レイラもびくともしない。


「天の怒りを!」


 シンシアは魔法で雷を落とした。3匹はダメージを受け、1匹の赤いオオカミは表情が苦しくなった。


「ギャオー!」


 レイラは氷の息を吐いた。3匹はダメージを受け、1匹のオオカミは倒れた。


「ガオー!」


 黄色いドラゴンは炎を吐いた。2人はダメージを受けたが、びくともしない。


「雪の力を!」


 シンシアは魔法で吹雪を起こした。2匹はダメージを受け、赤いオオカミは表情が苦しくなった。


「ガオー!」


 レイラは炎を吐いた。2匹はダメージを受けた。赤いオオカミは倒れ、黄色いドラゴンは表情が苦しくなった。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンは炎を吐いた。2人はダメージを受け、レイラは表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法でレイラを回復させた。


「とどめだ!」


 レイラは炎を吐いた。黄色いドラゴンは倒れた。


「ここ最近、敵が多いわね」


 ここ最近敵が多い。なぜかはわからない。だが、王神龍の復活が近いからだと言われている。


「うん。お父様からも注意されてるわ」


 シンシアもそのことを知っていた。王神龍の復活が近いのはお父様からも言われている。


「ふーん」


 だが、再び敵が襲い掛かってきた。2匹の黄色いドラゴンと1つ目のヘビだ。


「炎の力を!」


 シンシアは魔法で火柱を起こした。3匹は熱がったが、びくともしない。


 突然、1つ目のヘビはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。


「ガオー!」


 レイラは炎を吐いた。3匹はダメージを受け、1つ目のヘビは表情が苦しくなった。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンは雷を吐いた。2人はダメージを受けたが、びくともしない。


「ギャオー!」


 もう1匹の黄色いドラゴンはシンシアに噛みついた。シンシアは少し表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法で自分を回復させた。


「グルルル・・・」


 レイラは炎を吐いた。3匹はダメージを受け、1つ目のヘビは倒れた。


「ガオー!」


 黄色いドラゴンは雷を吐いた。2人はダメージを受け、レイラは少し表情が苦しくなった。


「グルルル・・・」


 もう1匹の黄色いドラゴンはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法でレイラを回復させた。


「ガオー!」


 レイラは氷の息を吐いた。2匹はダメージを受け、1匹の黄色いドラゴンは氷漬けになった。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンは炎を吐いた。2人はダメージを受けたが、びくともしない。


「氷の力を!」


 シンシアは魔法で2匹を氷漬けにした。1匹の黄色いドラゴンは倒れ、残った1匹は表情が苦しくなった。


「とどめだ!」


 レイラは残った黄色いドラゴンに噛みついた。残った黄色いドラゴンは倒れた。


「気を付けなくっちゃね」


 2人は再び進もうとした。だが、敵に行く手をふさがれた。3匹の黄色いドラゴンだ。


「雪の力を!」


 シンシアは魔法で猛吹雪を起こした。3匹はダメージを受け、1匹が氷漬けになった。


「ガオー!」


 レイラは氷の息を吐いた。3匹はダメージを受けたが、びくともしない。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。


「氷の力を!」


 シンシアは魔法で3匹を氷漬けにした。3匹はダメージを受け、1匹は表情が苦しくなった。


「ギャオー!」


 レイラは黄色いドラゴンに噛みついた。黄色いドラゴンは倒れた。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンは炎を吐いた。2人はダメージを受け、シンシアは表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法で自分を回復させた。


「ガオー!」


 レイラは氷の息を吐いた。2匹はダメージを受け、氷漬けになってない黄色いドラゴンは表情が苦しくなった。


「ギャオー!」


 黄色いドラゴンは炎を吐いた。2人はダメージを受け、レイラは表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法でレイラを回復させた。


「グルルル・・・」


 レイラは氷の息を吐いた。2匹はダメージを受けた。1匹の黄色いドラゴンは倒れ、残った黄色いドラゴンは表情が苦しくなった。


「とどめだ! 氷の力を!」


 シンシアは魔法で黄色いドラゴンを氷漬けにした。残った黄色いドラゴンは倒れた。


「ここにも敵がいるわね」

「注意しないと」


 2人は周りを警戒した。その時、敵が襲い掛かってきた。黄色いドラゴンと3匹の赤いオオカミだ。


「天の怒りを!」


 シンシアは魔法で雷を落とした。4匹はダメージを受け、2匹の赤いオオカミは体がしびれた。


「ガオー!」


 レイラは炎を吐いた。4匹はダメージを受けたが、びくともしない。


 突然、赤いオオカミはレイラに噛みついた。だが、レイラはびくともしない。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンは炎を吐いた。だが、2人はびくともしない。


「天の怒りを!」


 シンシアは魔法で雷を落とした。4匹はダメージを受け、2匹の赤いオオカミは表情が苦しくなった。


「グルルル・・・」


 レイラは炎を吐いた。4匹はダメージを受け、2匹の赤いオオカミは倒れた。


「ガオー!」


 残った赤いオオカミは炎を吐いた。2人はダメージを受け、レイラは表情が苦しくなった。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法でレイラを回復させた。


「グルルル・・・」


 レイラは赤いオオカミに噛みついた。赤いオオカミは表情が苦しくなった。


「ガオー!」


 黄色いドラゴンはシンシアに噛みついた。シンシアは少し表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法で自分を回復させた。


「ギャオー!」


 レイラは炎を吐いた。2匹はダメージを受けた。赤いオオカミは倒れ、黄色いドラゴンは表情が苦しくなった。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンはレイラに噛みついた。レイラは少し表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法でレイラを回復させた。


「とどめだ!」


 レイラは氷の息を吐いた。黄色いドラゴンは倒れた。


「見えてきた! あの祠よ!」


 ようやく祠の入口が見えてきた。だが、敵が襲い掛かってきた。2匹の黄色いドラゴンと2匹の赤いオオカミだ。


「氷の力を!」


 シンシアは魔法で4匹を氷漬けにした。4匹はダメージを受け、1匹の赤いオオカミは氷漬けになった。


「グルルル・・・」


 レイラは雷を吐いた。4匹はダメージを受け、1匹の黄色いドラゴンは体がしびれた。


「ガオー!」


 赤いオオカミはシンシアに噛みついた。だが。シンシアはびくともしない。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンは炎を吐いた。だが、2人はびくともしない。


「天の怒りを!」


 シンシアは魔法で雷を落とした。4匹はダメージを受け、1匹の黄色いドラゴンと1匹の赤いオオカミは表情が苦しくなった。


「ガオー!」


 レイラは赤いオオカミに噛みついた。赤いオオカミは倒れた。


「ギャオー!」


 黄色いドラゴンは雷を吐いた。2人はダメージを受け、レイラは表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法でレイラを回復させた。


「ガオー!」


 レイラは炎を吐いた。3匹はダメージを受け、1匹の黄色いドラゴンは倒れた。


「グルルル・・・」


 残った黄色いドラゴンはレイラに噛みついた。だが、レイラはびくともしない。


「天の怒りを!」


 シンシアは魔法で雷を落とした。2匹はダメージを受け、赤いオオカミは表情が苦しくなった。


「グルルル・・・」


 レイラは炎を吐いた。2匹はダメージを受けた。赤いオオカミは倒れ、黄色いドラゴンは表情が苦しくなった。


「ギャオー!」


 黄色いドラゴンはレイラに噛みついた。レイラは表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法でレイラを回復させた。


「とどめだ!」


 レイラは炎を吐いた。黄色いドラゴンは倒れた。

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