第3話 使命(2)

 しばらく歩くと、祠のような入口に着いた。その先にいるお父様とは誰なんだろう。レイラは首をかしげた。


「この祠の中に?」

「うん」


 シンシアは笑顔で答えた。久しぶりに会えるのが楽しみだ。


「ここにお父さんがいるの?」

「うん」

「シンシアがお父さんって言ってる人、誰だろう」


 レイラはシンシアのお父様を思い浮かべようとした。だが、思いつかない。普段誰も近づかない所にいるなんて、仙人だろうか?


 2人は暗い洞窟の中を歩いていた。中は素掘りだ。照明はない。装飾もない。シンシア以外、誰も来ることのない場所だ。最後にシンシア以外の人が入ったのはいつだろう。


 その時、敵が襲い掛かってきた。黄色いドラゴンと3匹の赤いオオカミだ。


「大地の力を!」


 シンシアは魔法で地響きを起こした。4匹はダメージを受けたが、びくともしない。


「グルルル・・・」


 レイラは氷の息を吐いた。4匹はダメージを王家、2匹の赤いオオカミは氷漬けになった。


「ガオー!」


 赤いオオカミはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンは炎を吐いた。2人はダメージを受けたが、それでもびくともしない。


「天の怒りを!」


 シンシアは魔法で雷を落とした。4匹はダメージを受け、1匹の赤いオオカミは表情が苦しくなった。


「ガオー!」


 レイラは氷の息を吐いた。4匹はダメージを受けた。1匹の赤いオオカミが倒れ、残った2匹は表情が苦しくなった。


「グルルル・・・」


 赤いオオカミはシンシアに噛みついた。シンシアは表情が苦しくなった。


「ガオー!」


 黄色いドラゴンはレイラに噛みついた。だが、レイラはびくともしない。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法で自分を回復させた。


「ガオー!」


 レイラは氷の息を吐いた。3匹はダメージを受け、2匹のオオカミは倒れた。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンはレイラに噛みついた。レイラは表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法でレイラを回復させた。


「ギャオー!」


 レイラは氷の息を吐いた。黄色いドラゴンは表情が苦しくなった。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンは炎を吐いた。2人はダメージを受け、シンシアは表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法で自分を回復させた。


「とどめだ!」


 レイラは炎を吐いた。黄色いドラゴンは倒れた。


「ここにも敵が多いわね」

「最近多いのよ」


 シンシアはここ最近、この洞窟に敵がいることを気にしていた。閃光神ルーネもそのことを気にしていた。


 その直後、敵が襲い掛かってきた。2匹の黄色いドラゴンと2匹の1つ目のヘビだ。


「天の怒りを!」


 シンシアは魔法で雷を落とした。4匹はダメージを受け、2匹の1つ目のヘビは体がしびれた。


「ガオー!」


 レイラは氷の息を吐いた。4匹はダメージを受け、2匹の1つ目のヘビは氷漬けになった。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンは炎を吐いた。だが、2人はびくともしない。


「ガオー!」


 もう1匹の黄色いドラゴンは雷を吐いた。それでも2人はびくともしない。


「氷の力を!」


 シンシアは魔法で4匹を氷漬けにした。4匹はダメージを受け、2匹の1つ目のヘビは表情が苦しくなった。


「ギャオー!」


 レイラは氷の息を吐いた。4匹はダメージを受け、2匹の1つ目のヘビは倒れた。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンは炎を吐いた。それでも2人はびくともしない。


「ガオー!」


 もう1匹の黄色いドラゴンは雷を吐いた。2人はダメージを受け、シンシアは表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法で自分を回復させた。


「ガオー!」


 レイラは炎を吐いた。2人はダメージを受け、少し表情が苦しくなった。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。


「ガオー!」


 もう1匹の黄色いドラゴンは炎を吐いた。2人はダメージを受け、レイラは表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法でレイラを回復させた。


「グルルル・・・」


 レイラは炎を吐いた。2匹はダメージを受け、表情が苦しくなった。


「ガオー!」


 黄色いドラゴンは雷を吐いた。だが2人はびくともしない。


「グルルル・・・」


 もう1匹の黄色いドラゴンは炎を吐いた。それでも2人はびくともしない。


「とどめだ! 天の怒りを!」


 シンシアは魔法で雷を落とした。2人の黄色いドラゴンは倒れた。


「どうしてこんなに敵が出るんだろう」

「きっと神龍教の影響だろう」


 シンシアも閃光神ルーネも神龍教が力をつけてきたからだと思っていた。そして、自分の旅立ちの日が近いだろうと思っていた。


 そう考えていると、敵が襲い掛かってきた。2匹の黄色いドラゴンと1つ目のヘビと赤いオオカミだ。


「天の怒りを!」


 シンシアは魔法で雷を落とした。4匹はダメージを受け、赤いオオカミは体がしびれた。


「ガオー!」


 レイラは炎を吐いた。4匹はダメージを受けたが、びくともしない。


 突然、1つ目のヘビはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンは炎を吐いた。だが、2人はびくともしない。


「ギャオー!」


 もう1匹の黄色いドラゴンは雷を吐いた。だが、2人はそれでもびくともしない。


「炎の力を!」


 シンシアは魔法で火柱を起こした。4匹はダメージを受け、赤いオオカミは表情が苦しくなった。


「ギャオー!」


 レイラは氷の息を吐いた。4匹はダメージを受け、赤いオオカミは倒れた。


「ガオー!」


 黄色いドラゴンは雷を吐いた。シンシアは少し表情が苦しくなった。


「グルルル・・・」


 もう1匹の黄色いドラゴンはレイラに噛みついた。だがレイラはびくともしない。


「雪の力を!」


 シンシアは魔法で吹雪を起こした。3匹はダメージを受けた。1つ目のヘビは表情が苦しくなり、1匹の黄色いドラゴンは氷漬けになった。


「グルルル・・・」


 レイラは雷を吐いた。3匹はダメージを受け、1つ目のヘビは倒れた。


「ガオー!」


 黄色いドラゴンはレイラに噛みついた。だがレイらはびくともしない。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法で自分を回復させた。


「ガオー!」


 レイラは炎を吐いた。2匹はダメージを受け、表情が苦しくなった。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンは雷を吐いた。2人はダメージを受け、レイラは表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法でレイラを回復させた。


「とどめだ!」


 レイラは炎を吐いた。残った黄色いドラゴンは倒れた。


「この先よ」

「どんな人だろう」


 あと少しの所までやって来た。だが、敵が襲い掛かってきた。3匹の黄色いドラゴンと2匹の赤いオオカミだ。


「天の怒りを!」


 シンシアは魔法で雷を落とした。5匹はダメージを受けたが、びくともしない。


「ガオー!」


 レイラは氷の息を吐いた。5匹はダメージを受け、2匹の黄色いドラゴンと1匹の赤いオオカミは体がしびれた。


「グルルル・・・」


 赤いオオカミはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。


「炎の力を!」


 シンシアは魔法で火柱を起こした。5匹はダメージを受け、2匹の赤いオオカミは表情が苦しくなった。


「ガオー!」


 レイラは炎を吐いた。5匹はダメージを受け、2匹の赤いオオカミは倒れた。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンは炎を吐いた。2人はダメージを受け、シンシアは表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法で自分を回復させた。


「ガオー!」


 レイラは氷の息を吐いた。3匹はダメージを受け、少し表情が苦しくなった。


「グルルル・・・」


 黄色いドラゴンはレイラに噛みついた。レイラは表情が苦しくなった。


「癒しの力を!」


 シンシアは魔法でレイラを回復させた。


「グルルル・・・」


 レイラは炎を吐いた。3匹は表情が苦しくなった。


「ガオー!」


 黄色いドラゴンはシンシアに噛みついた。だが、シンシアはびくともしない。


「とどめだ! 天の怒りを!」


 シンシアは魔法で雷を落とした。3匹の黄色いドラゴンは倒れた。


 2人はある部屋にやって来た。その奥には、大きな雷獣がいる。


「お父様、おはようございます」


 レイラは驚いた。こんなに大きな魔物は見たことがない。


「えっ、この人って?」

「光の最高神、閃光神ルーネ様」


 シンシアは笑顔を見せた。神様をお父様と呼んでいるなんて。レイラは信じられなかった。


「そんな・・・」


 2人に気付くと、閃光神ルーネは笑顔を見せた。


「シンシアか、大きくなったな」


 閃光神ルーネは幼少期の頃を思い出した。幼少期から度々祠に姿を見せ、たくさん遊び、たくさんの魔法を教わった。


「ありがとうございます」


 シンシアはお辞儀をした。いろんなことを学び、一緒に遊んだ閃光神ルーネに感謝していた。


「ついに今年か」


 閃光神ルーネは深刻な表情だ。何かを考えているようだ。閃光神ルーネは下を向き、何かを思い出した。忘れてはならない、この世界を守るためにも。


「何のことですか?」

「王神龍が復活する時だ」


 シンシアは驚いた。ついにこの年が来たか。度々聞かされたが、まさか、今年とは。


「あの、王神龍が?」


 王神龍の事は子供の頃からよく聞かされた。かつてこの世界を作り直し、人間を絶滅させようとした邪神だ。だが、5人の魔獣の英雄によって封印された。作り話だと思われているが、本当にあった話だ。


「ああ。そして、その時、再び5人の魔獣の英雄が現れると言われているのだ」

「は、はい」


 シンシアは真剣にその話を聞いていた。何か決意を決めているようだ。


「そして、その中に、シンシア、お前の名前もあるのだ。覚悟はできておるな?」


 閃光神ルーネは真剣な表情だ。閃光神ルーネがシンシアを引き取ったのは、世界を救う英雄となることを知っていたからだ。その時までに多くの事を教えて、やがて来る王神龍の復活に対抗するためだ。


「はい。できております」


 シンシアはそのことをよく知っていた。自分は世界を救う存在。いつの日かその時が来る。覚悟はできていた。だが、今年だとは。


「その4人の仲間とは、リプコット国、サイカシティに住むジーダ・デルガド、ゴルドの国、シナの地に住む藪原太一、ゴルドの国、アヅマの地に住む那須野豊、リプコット国、インガーシティに住むダミアン・クレイマーだ」


 閃光神ルーネは他の4人の事を知っていた。彼らを探し出し、彼らと共に世界を救えと度々言ってきた。そして今、その時が来た。今こそ、仲間と共に立ち上がる時。


「シンシア、お前は運命を背負って生まれてきたんだ」

「私はわかっていた。だから私は、父のような存在としてお前を見守ることにしたのだ」


 閃光神ルーネは真剣な表情だ。ここまでシンシアを育てたのは、世界を救う英雄となる存在だからだ。


「かしこまりました!」


 シンシアは決意を固めた。自分は世界を救う運命を背負って生まれてきた。今こそその力を発揮する時だ。4人の仲間と出会い、世界を救わねば。


「ならば、向かえ! 友に旅をする4人の仲間と出会い、世界を救え!」




 その夜遅く、シンシアは夜空を見ていた。いよいよこの時が来たんだ。


「シンシアって、まさか、こんな運命を背負って生まれてきたなんて」


 シンシアは横を向いた。レイラがやって来た。レイラはなかなか眠れずに起きていた。


「でも、私、知ってたの。お父様から度々聞かされて、いつの日か復活する時が来るから」


 シンシアは笑顔を見せた。必ずこの世界を救う。それが自分の使命だ。世界を救ってその名前を刻むんだ。


「ふーん」


 レイラはじっと見ていた。本当にシンシアはその名を刻むんだろうか?


「いつの日か、私が英雄になるんだ」


 シンシアは夜空を見た。雲一つなく、星々がよく見える。果たして、4人の仲間はどこにいるんだろう。


「シンシアがその名前を歴史に刻むんだね。すごいね」

「ありがとう」


 シンシアは誓った。必ず世界を救ってみんなの未来を守るんだ。


 レイラは沈んだような表情をしている。何かに悩んでいるようだ。その表情を見て、シンシアは心配そうな表情を見せた。


「寝ないの?」

「うん。ここ最近変な夢ばかり見るんだ」


 シンシアは不安になった。ここ最近同じ夢を見る。自分が変な奴らに捕まえられて白い龍の生贄に捧げられる。誰もその理由を知らない。やがて自分の身に起こるんじゃないのかと思い始めた。


「ふーん」

「誰もその理由がわからないんだ」


 レイラは下を向いた。ここまでわからないと誰も信用できなくなってきた。彼らも奴らの仲間なんじゃないかと思い始めた。だが、みんな仲間じゃないと言っている。本当だろうか? レイラは疑い深くなってきた。


「へぇ。大丈夫?」


 シンシアはレイラの事が気がかりになった。大丈夫だろうか? その夢が現実に起こらないだろうか?


「大丈夫だよ。私は負けないよ」


 レイラは笑顔を見せた。だが、ぎこちない。やはり悩んでいるみたいだ。


「そう」


 シンシアはレイラを心配そうに見ていた。


「さてと、そろそろ寝ないとね」

「おやすみ」

「おやすみー」


 レイラは寝室に戻った。シンシアは夜空を見ていた。自分とともに世界を救う英雄はどこにいるんだろうか? いよいよ明日は旅立ちの日。必ず世界を救ってこの町に戻るんだ。シンシアは決意を新たに、必ず世界を救うと星空に誓った。


 シンシアはその時知らなかった。明日、レイラがとんでもない目に遭う事を。

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