殿上の厲鬼(れいき)

遊鳥

登場人物紹介

登場人物(殿上の厲鬼~厲鬼ふたたび)

※年齢はすべて数え年です。

※一部史実と異なる内容があります。


下道朝臣真備しもつみちのあそみまきび(41)

主人公。

官位は従八位下のち正六位下・大学助。

後の吉備真備。

天平七年(735)に帰国した遣唐留学生けんとうるがくしょうで、現在は官人養成機関である大学の助(副学長)として大学改革と学生の教育に勤しむ。

超常の力を操る才を持ち、方術と金行の鬼道を駆使して妖厲ようれい(怪異のこと)と戦う。


殿上の厲鬼れいき(享年24、死後も含めると73)

ヒロイン。

ヒロインなので割と脱ぐ。

厲鬼とは中国語で激しく祟る神、後の世に言う『怨霊』のこと。

日並皇子尊ひなみしのみこのみこと(草壁皇子の尊称)の子孫で大君である聖武天皇の首を狙っている。

その正体は謀反の意ありとされ若くして自尽した大津皇子。

元々は幽鬼そのものの姿をしていたが、人々の「金色の悪龍となって京を襲う」という噂話に影響を受け、金色の龍角と驥尾が生えてきた。


掃守宿禰大津かぬもりのすくねおおつ(自称16)

天平七年(735)秋、突然大学寮にやってきたピッカピカの新入生。

掃守とは皇子が大学生として通うため勝手につけた偽名で、掃守氏とは一切縁故はない。


皇族・官人たち


阿倍朝臣仲麻呂(19)

位階は八位・官職は不明。

養老元年(717)、遣唐留学生として真備達と共に唐へ渡る。

超常の才を持ち、真備に鬼道を伝授した。


韓国連広足からくにのむらじひろたり(58)

官位は外従五位下・典薬頭てんやくのかみ

役小角の弟子で、治癒と防御に特化した方士である呪禁師として名を知られている。


藤原朝臣麻呂(41)

官位は従三位参議・兵部卿と山陰道鎮撫使を兼ねる。

藤原不比等の四男で、藤原四兄弟の末弟にあたる。藤原京家の祖。


草壁皇子(25)

位階は浄広壱。

天武天皇の後継で大津皇子の腹違いの兄。

死後日並皇子尊と諡された。


藤原朝臣不比等(28)

官位は不明。

藤原鎌足の次男で、草壁皇子に仕え親しく交流していた。


下道朝臣黒麻呂(25)

位階は八位・官職は不明。

真備の親族で、超常の才がある。


藤原朝臣 武智麻呂むちまろ(56)

官位は従二位・右大臣。

藤原不比等の長男で、四兄弟の長子にあたる。藤原南家の祖。

大学生時代の真備と面識がある。


藤原朝臣仲麻呂(30)

位階は従五位下、官職は不明。

武智麻呂の次男で、後の恵美押勝。


大伴宿禰古麻呂(24)

官位は従六位上・治部少丞じぶしょうじょう

天平五年(733)に留学生として渡唐したが、真備達と共に帰ってきた。


大伴宿禰 古慈斐こしび(41)

官位は従六位上・大学大允だいがくだいじょう

真備を支える大学寮の部下。


大学生たち


大伴宿禰家持(18)

大伴氏の若き氏上うじのかみ


大伴宿禰池主(18)

眉目秀麗で、大伴氏の氏人の中では突出した超常の才を持つ。


大伴宿禰 伯麻呂おじまろ(17)

いつも家持とつるんで習学している。


市井の人たち


僧行基(68)

朝廷の定めた禁を破って百姓ひゃくせいに仏の教えを説き、賛同する民衆と共に困窮者の救済や社会事業を行う老僧。

見鬼の才がある。


大洲加丹麻呂おおずのかにまろ(30)

平城宮の官衙で働く仕丁しちょう

真備と同じ坪内に、同じ国から来た男達と一つ屋根の下で暮らしている。


 玄昉げんぼう(38)

天平七年(735)に真備達と共に帰国した遣唐留学僧けんとうるがくそう


下道由利(13)

腹違いの妹として真備の家にやって来た少女。


役小角(68)

飛鳥時代の呪師ずし優婆塞うばそく、修験道の開祖。

大来皇女大津皇子の姉弟とは壬申の大乱の頃からの付き合い。


アラガミたち

アラガミとは、ここでは人に害をなす怪異全般のことをさす。


長屋王(享年54、死後も含めると61)

官位は正二位・左大臣。

「左道による国家転覆の意あり」という密告により罪を問われ、妻や子達と共に自尽したとされる。

死後長く正気を失い厲鬼として平城宮の内外を彷徨っていた。


吉備内親王(享年44、死後も含めると50)

位階は二品。

長屋王の正妃むかいめで、夫や子らと同じく自尽し死後も共に厲鬼として彷徨う。

夫や子らと違い超常の才を持たない。


膳夫王かしわでおう(享年24、死後も含めると30)

位階は従四位下。

長屋王の長子で聖武天皇の皇嗣とされるも謀反の疑いをかけられ父母や兄弟達と共に自尽し、死後長く正気を失い厲鬼として彷徨っていた。


桑田王くわたおう(享年20、死後も含めると26)

長屋王の次子であるが、母は吉備内親王ではない。

謀反の疑いにより父や他の兄弟達と共に自尽、厲鬼となる。


葛木王かつらぎおう(享年10、死後も含めると16)

長屋王と吉備内親王の子。

謀反の疑いにより父や他の兄弟達と共に自尽、厲鬼となる。


鈎取王かぎとりおう(享年5、死後も含めると11)

長屋王と吉備内親王の子。

謀反の疑いにより父や他の兄弟達と共に自尽、厲鬼となる。


若藻(外見年齢16)

白狐の妖怪で、二尾を持つ。

京で貴人を誑かし、豪奢な暮らしを楽しむ。


玉藻(外見年齢20)

若藻の姉で三尾を持つ。

山背国の山中にある里に隠れ住み、まだ若い若藻の代わりに一族の長を務めている。


信太しのだ(外見年齢30)

若藻・玉藻の祖父の代から白狐の一族に仕える黒狐。

ふたりの祖父・父と共に壬申の大乱に参戦している。


瑤光ようこう

遠く西方からやってきた長屋王家の飼い犬で、雌のサルーキ。

飼い主達と運命を共にしており、特に鈎取王になついている。

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