第40話 魔物図鑑:牧場編その1
今日は魔物図鑑をみんなで見ることにした。
え?そんなのみんなで見て楽しいのかって?
普通の図鑑ならそうだろうが、先代が残してくれた魔物図鑑はすごかった。
この図鑑はクレトが図書室から引っ張り出してきたのだが、専用の魔法陣の中に置くことで図鑑からホログラムのような魔物が浮かび上がってくるのである!
今日はその鑑賞会だ。
そして、それぞれが今後テイムしたい魔物を選んでもらう。
加えて、牧場で飼う魔物も決めていこう。
さあ魔物図鑑を発動しよう!
まず牧場で飼う魔物から。
1. モコモコウサギ
薄いピンク色で、ふわっふわの丸っこいウサギ型魔物。その毛は2層構造になっており、表面にはつややかでサラサラの長い毛が、その下には肌触りの良い綿毛のような短毛が詰まっている。臆病な性格で主に開けた草原に群れで暮らしている。
「ヨウイチロウさん、これ、絶対、絶対飼うから!」と目をキラキラさせてるユイ。
女性陣はみなすぐにでもモフモフしたそうな様子である。
飼うこと決定だな。
2. ツキノウサギ
白いうさぎ型魔物。満月の日にだけ現れ、どこからともなく持ってきた杵と臼で餅をつく幻獣。雄と雌2羽セットで現れる。見たものは幸福になれるといわれ、彼らがつく餅を食べると不老長寿になれるという伝説がある。呼び込むためには「月見」という儀式を取り行わなければならない。しかし、「月見」という儀式がいかなるものなのかは伝承に残されていない。
異世界に来て月の兎とは、また、うん、ありだろ。
「ねえねえ、ヨウイチロウさん、これもかわいいから飼いたいなぁ?大賢者マーリン様の後継者なら「月見」の儀式知ってるんじゃないの?」とシシリーが上目遣いで見てくる。
「ははは・・・もちろんさ」と俺。
「やったね!じゃぁ、このツキノウサギも飼おうね!」とサリー。
3. 金色羊
金色の羊毛を持つ羊。眠ることのないドラゴンによって守られている。ハザール王国南部のルジェ大砂漠のドラゴンの巣の中に数頭の存在が確認されている。これまで数多くの野心家がその黄金の毛皮を手に入れようとしてきたが成功したものはまだいない。
「黄金羊か。うーん、これは欲しいなぁ。まさに財宝って感じだよなぁ。欲しい!」と俺。
「うん、ヨウイチロウ、こいつを捕まえてきたら伝説に残るぜ。よし、ドラゴン討伐と行こうじゃないか。」とパル。
「いや、ドラゴンの討伐じゃないから。あくまで黄金羊の奪取だから!」と俺。
もう捕まえる気満々です。
だってこんなロマンをくすぐられる話ないでしょ!
4. ベヒモス
4足歩行の魔物で神によってつくられた最初の3種の魔物の1つ。皮、骨、牙、歯、蹄はどれもマジックアイテムや武具、防具、工芸品に使われる最高級素材。血は料理にも使えるうえ治癒、回復、解呪といったあらゆる薬効を備え万能薬の呼び声が高い。肉も芳醇な香りととろける脂を備えており絶品。人工の環境下で飼育は困難といわれているが自然界には数多く生息する。主に湿地に生息する。最も優れているといわれる個体群はラマ―ジュ帝国南西部の大河アンダインの河口、ドロッタ湿原に生息。(ドロッタ湿原には多数の有毒魔物が生息し常人では近づくことは困難)大変優れた魔物だが、唯一見た目だけがザンネン。かなり不細工な見た目である。
「ヨウイチロウ、これは、うん、たくさん捕まえよう。この屋敷をもってすれば飼うことも夢ではないはずだ!」とガフ。
「賛成だな。美味しい肉と聞いただけで我慢できないぞ。明日とかじゃだめか?転移魔法使ったら一瞬で大陸も超えていけるだろ?なぁ、ヨウイチロウ?」とよだれを垂らしながらクレト。いつもの知的なイメージが台無し。まあ狼人族だからね。
「行けるけどなぁ、明日はちょっと焦りすぎだね~」
こいつも捕まえること決定。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます