第36話 クレトとパルの仕事場

「クレト、パル、君たちにはシシリーのラボの隣に2部屋用意した。」

「わかった、だけどまだあんまり物がないな。」とクレト。

「俺の部屋もラボって感じじゃないんだが?」とパル。


「まず2人には、基本マジックスライムの進化実験をやってもらおうと思う。」

「まずは、何からやったらいいんだ?」とクレト。

「最初はパルと一緒にこの大量の魔石を分類することから始めてもらおうと思う。」

といって俺は部屋の中央に大雑把に属性ごとに分けた魔石、先日ラガドの商人ギルドで買い付けた魔石を取り出した。

「「うぉ!!」」クレトとパルがはもる。

「これを分類するのか!?」とクレト。

「俺とクレトの2人でやるのかよ!?」とパル。

「魔石標本室もこの第一階層にあるし、部屋には鑑定用のマジックアイテムも用意しておいた。頑張ってくれ!」

「なんてこったぁ」とパル。頭を抱えている。

「クレトとパルには錬金術や魔法の研究も自分たちでやってほしい。だから図書室も自由に使って構わない。」

「それはありがたいな。楽しみだ!」とクレト。

「まあ、この屋敷の蔵書はかなり充実してそうだったからな独学もいいだろう。」とパル。


「ただ、午前中はその作業をしてほしいんだが、午後はパーカーさんに武芸の稽古をつけてもらう。」

「ホントか!」

「そうだ。パーカーさんにはお願いしてあるから明日から早速始めよう。」


そう、ハザール王国の王女の護衛をするだけの実力をパーカーさんは持ち合わせている。

それに、この屋敷に来てからは手持無沙汰だったようで協力を申し出てくれたのでお願いすることにしたのだった。


クレトとパルもうれしそうだ。


「ところで、この魔石とスライムはどう関係するんだ?」とクレト。

「百聞は一見に如かず!今から見せてあげるよ。」


俺はディメンションホールからマジックスライムを取り出す。

これまでしばらくほったらかしにしていたから不機嫌そうだ。

なので、魔石の山の前に連れて行ってやると好物の魔石を探そうとぴょんぴょん跳ねている。


「このスライムぴょんぴょん跳ねてるぞ!」とパル。

前回ゴブリンの魔石に対してはあまり好きそうな反応はしていなかったが、ホーンラビットの魔石は少し美味しそうに食べていた。

今回はどうかというと、、、

「どうやら、マジックスライムはオークの魔石が好きらしいな。よし、この魔石の山からオークの魔石を集めよう。」


マジックスライムは魔石の山の中からオークの魔石を好んで吸収しようとしている様子だったので鑑定とサイキックを組み合わせた複合魔法でオークの魔石を選別して集める。

するとスライムは大喜びでより分けたオークの魔石の山に向かっていく。

身体が一瞬大きくなったかと思うと魔石を覆うようにして消化し始めていた。


「魔石がスライムの体内でシュワシュワしてる。スライムが魔石を食べてるなんて信じられない…」とクレトが目を見張っている。

「なるほど、俺たちはこういう実験をマジックスライムに対してやっていけばいいわけね。」とパル。


一体これから何が起きるのだろうか?

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