第24話 商人ギルドに登録しよう
美味しく夕食をいただいてペレネ―にお礼を言った後、俺は宿の部屋に戻って眠り、疲れをとった。
「おはよーヨウイチロウさん!」
「おはよーペレネ―。起こしてくれてありがとう」
「食堂に朝食を用意してるから早く来てね!」
「ありがとー」
扉の向こうから元気のいい声に起こされた俺は身支度を済ませて食堂に降りる。
「おはようございます、女将さん。」
「おはようございます、ヨウイチロウさん。今日は10時から商人ギルドに行かれるとか」
「そうなんですよ。今日は予定が立て込んでまして。」
とか何とか朝の挨拶と雑談をし、ペレネ―に案内してもらう旨を伝えた。
軽めの朝食を済ませてさっそく商人ギルドに向かう。
「お母さん、ヨウイチロウさんを案内してくるね~」
「行ってらっしゃーい。」
「行ってきまーす。」
元気のいいペレネ―とともに商人ギルドに向かう。
10時前ということもあって人通りも増えてきている時間帯だ。
しばらく歩くと3階建ての立派な木造の建物が見えてきた。
「あれが商人ギルドだよ!」
「立派な建物だね。」
「そうだね。商人ギルドへの登録は簡単だけど窓口まで案内してあげる!」
そういうペレネ―に案内されて商人ギルドに入った。
昨日北門の詰め所で作成した仮の身分証明書を出したらすぐに正式の商人ギルドカードを作ってくれた。
ギルドへの登録料銀貨3枚を払って正式に登録を完了する。
ギルド職員から商人ギルドについての簡単な説明とパンフレットをもらった。
ペレネ―は途中で席を外して事務手続きが終わるころに合流することにした。
「これで一通りの事務手続きは終了です。お疲れさまでした。」
人族の若い女性のギルド職員が俺に告げる。
「こちらこそ、ありがとうございました。これからよろしくお願いします。」
「ユカワ様、今何かご入用のものがございましたらギルドで取り扱いのある範囲でご用意できますがいかがいたしましょう?」
「そうですね、魔石を買い付けたいなと思っていたのですが、ありますか?」
「どのような魔石をお求めでしょうか?魔石といっても安価なものから高価なものまでございます。」
「そうですね、私が今探しているのは安価な魔石です。例えば傷物の魔石や、砕けてしまった魔石、そうしたほとんど売り物にならないような魔石が欲しいですね。ただし量があるとよいのですが。」
ギルド職員はニコッと笑った。
「ユカワ様、ございます。それも大量にございます。この町はもともと魔の森に近く魔石の供給は多い方です。ただ、魔物との戦闘の際に魔石が傷ついてしまうこともまれではなく、そうした魔石は用途が限られてしまうので売れ残るのです。そうした不良在庫はギルドがまとめて買い上げて定期的に処分するのですが、その処分日は3日後です。」
「素晴らしい、その売れ残りの魔石を売っていただくことはできますか?」
「もちろんです、本来魔法で焼却処分する予定のものが売れるのですからこちらとしては願ったりかなったりです。」
「では、値段はいくらくらいでしょうか。」
「倉庫1棟分ほどの量になりますから、輸送費や保管費などを含めて…そうですね銀貨80枚といったところでしょうか。」
「えッ、そんなに安くていいんですか?不良在庫とはいえ魔石でしょう?」
「売れない不良在庫ですから。」
「そうですか、では銀貨80枚で買い取らせていただきます。」
「お買い上げありがとうございます。」
商人ギルド登録と初取引を俺は無事終えた。
ギルド職員に案内されて魔石の保管庫に向かい買い付けた魔石を空間魔法でディメンションホールにしまうとギルド職員に目を丸くして驚かれた。
その後いろいろ問いただされたがいつも通りの説明をして納得させた。
そうして俺はペレネ―と合流するのだった。
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