第12話 スライムを分類しようーその2

こうやってスライムを分類していくのはとても楽しい。いろんな色がいるし、いろんな特性を持っていそうだ。分類を完了したら、次はエサを考えないとな。


「さて、お次はブラッディ―スライムだね。全部で6匹。なかなか真っ赤じゃあないか。まさに鮮血の色だね。森の中にいたってことは魔物の死体でも食べていたのかな。魔物の血液には魔力が含まれているって話だが、君たちも実に興味深い研究対象になりそうだよ。」


ブラッディ―スライムは以前読んだ小説の中でとても興味深い働きを持っていたので、この世界のブラッディ―スライムも同じなのか、または、それ以上なのか実験で確かめてみたい。ブラッディ―スライムは3匹ずつ第27区画と第28区画に入れた。


「そろそろ、残り少なくなってきたね。お次は、これは実験にも使えそうだが、ミユも喜ばせることができそうなスライムだ。」


俺が、ミユを喜ばすことができそうだと思ったそのスライムはハニースライム。眩い黄金色をしており、透き通ったからだは触ったらべとべとしそうだ。だが、実際にはべとべとしない。質感は普通のスライムと変わらないのにそのスライムからは甘ったるいはちみつの香り、それも、どうやらいろんな種類の花の蜜と思しき香りがするのだ。


「君の存在をミユに知らせるのは、しばらく先だな。実験の材料になってもらわねばならんからね。でも、ある程度分裂したり、進化したら、プレゼントにしてもいいかもしれないな。」


隠していたことがばれたら、その時はその時だ。


「ハニースライムは1匹だけか。うん、いっぱいはちみつや花を与えて分裂を促そう。」


第29区画にハニースライムを入れたら次のスライムに向き合う。次のスライムはドランクスライムだ。


「お前は、いったいどこで酒を手に入れたんだ。スライムなのに飲んだくれって、いやはや。」


たぶんだが、この飲んだくれスライムは発酵した木の実か何かからアルコールを摂取して誕生したんじゃないだろうか。ま、これからいろいろな酒を飲ましてみるか。お酒の減り方が激しいと少し困ってしまうが。


「ドランクスライム君は第30区画に入ってもらおう。」


とうとう残ったのはあと2匹だった。1匹はマジックスライム。もう1匹はシャインスライムだった。


「シャインスライムか。マジックスライムほどではないにしても、かなり珍しいスライムのようだな。水と光があればいいのか。霞を食って生きている仙人みたいなやつだな。もしかして、聖水とか与えたらなんかすごいことになったりしないだろうか。」


シャインスライムとマジックスライムはやっぱり特別だと思ったので、シャインスライムをテイムしたら、第31区画と第32区画に1匹ずつ入れておいた。

こうして、スライムの分類は完了した。


「現時点で、このラボにいるスライムは10種類。あとでスカベンジャースライムを追加するとして、現在アクセスできるのは11種類。」

駆け出しとしてはまずまずの状況ににんまりと笑みが浮かんでしまう俺だった。

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