オタイオ村

第9話

村に入ってすぐに「おいっ」

っと馬鹿でかい声で呼び止められる、


俺はビクッっと身体に電気が走り

足がガタガタ震え出す、

心臓がバクバク大きな音を立てて

頭に血が上り顔が真っ赤になる。


ガッと小鳥が乗ってる反対の肩を

強く掴まれ引き寄せられる

「捕まった…」そう思って相手の顔を見る、


ガタイの良い男がそこに立っていた。

「お前生きてたのか」そう男が

満面の笑みで嬉しそうに語りかける。


サーチで確認すると頭の上のマークは緑色になっていた。

この名前、この顔は


「あの時の奴隷…」どうしてここに?


元奴隷「いやーあの時は本当に助かったよ、

一回捕まったんだけどよ盗賊の頭も

奴隷商の頭も死んでるじゃねーか、


どっちの奴らも頭に血が上って殺し合いを始めてよ、

残ったやつも怪我してフラフラだったんで

俺ら4人で片付けてよ、


小屋に火を付けてとっとと逃げてきたんだよ、

お前だけ捕まらなかったじゃねーか、


まあ半分死にかけてたから皆んな

どっかで死んじまってんじゃねーかって話してたんだよ」


俺「やっぱり考え過ぎだったんだ、よかった~」


元奴隷「でも何がどうなって二人が死んでたのかお前知ってる?」


俺「そんな事になってたんですね、

 いや~何でなんすかね」と惚ける。


元奴隷「俺ら4人共、田舎に戻る所なんだよ、お前は?」


俺「多分、僕の村は全滅してると思うから」


元奴隷「そうか…」何か察したのか

それ以上聞かれなかった 


元奴隷「よかったら一緒に来るか?」


俺「いえ、一人で生きていこうと持ってます」


元奴隷「そうか、お前はとんでもない

修羅場を乗り越えたんだから、

これからどんな事があってもやっていけるよ、頑張れよ」


俺「ありがとう、あなたもお元気で」 

俺は男に別れを告げて

冒険者ギルドと思われる建物に向かった。


俺は自由だ~心のモヤモヤも消えて、

体調も戻ってきて心が晴れやかな気分だ、

ここから始まるんだ俺の新しい人生が。


「やるぞ~」

俺は声を出して叫んでた、


まわりの人達がジロジロと遠目で見てる、

自分の格好を思い出した、


あ~この変な変装が目立ってたんだ、

そのおかげで元奴隷の男に見つけてもらえたんだな。


ん~見た目はまだ子供だから許されるよね、

そういえば3日間寝込んでる間に14歳になった、


最悪の誕生日だったな

ボアさん、コボルト三人衆、

スライムのボーちゃんひーちゃん、

小鳥のピーちゃんで誕生日会ごっこをしたのは虚しかった。


14歳といえば中学二年生か…厨二病…

前世の自分も頭が悪かったし、

今世はさらに悲惨だ、


色んなこと学びたいな、

とりあえず服装をどうにかしよう

ギルドに行く前に商店へ向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る