ねむりの森

第5話

真夜中に森へ分け入るのは非常識だと思うが

サーチを掛けると木や草の輪郭がハッキリと解る、


普通に歩ける事が出来る 

昼と夜の違いはカラーと白黒の差ぐらいしか無い。


門番には血塗れだが顔を見られてるし、

奴隷商や盗賊の残党も殺し合いはしてた様だが、

どうなったかは解らない


奴隷4人の安否もわからない 

よくよく考えたら強盗殺人の容疑者だ


朝になったら賞金稼ぎの冒険者が

血眼になって追いかけてくるかもしれない!

兎に角町から遠くに逃げなきゃ、

彼らが予想もしない場所へ。


ストレイジには小屋で奪った

金貨、地図、大太刀、食器類、洋服類がある。

本や地図をストレイジに入れると

内容がインストールされボードに表示される、


便利過ぎる…レベルが上がると、

もっと便利な機能を使いこなす事が出来るようだ、

レベルを上げよう、

勉強して体力をつけて日々努力しよう、

もう後悔はしたくない


人生に意味を持ちたい、

全ての努力は無駄にならない、

来世こそは自分の大事な人達を守れる人間になりたい。

俺は確固たる決意で今世を充実した人生にしようと心に誓った。


地図を見ると町の名前はマゴシカだった、

住んでた村から東へ下った場所にある

大陸の南端の町だった、


この大陸には国が3カ国あり

S級モンスターが7匹存在する。

マゴシカのある国はクス王国と言う、


マゴシカの前に広がる「ねむりの森」

の奥深くに火山があり、

その麓はS級モンスター「サイクロプス」の縄張りなのだ。


俺はそこを目指して森を進んでいた、

まさか13歳の子供がそんな所に向かうとは

誰も思わないだろう。


夜はモンスターが凶暴化

すると思われているがそれは違う、

動物は夜行性が多く活動しているが

モンスターは人間と同じく昼間に活動する、


田舎育ちの俺はその事は知っていた、

寝ているモンスターに近づきスリープをさらに掛けて


心臓に剣を突き刺させば

余裕でモンスターを狩れるはず、

問題は朝モンスターが起きだして

活動し始めた時どうするかだ。


森に入ってすぐにスライムが現れた、

サーチでは青い三角マークでLV1スライムとある、


スライムは唯一のG級モンスターだ、

人には無害で植物と同じ扱いを受けている。


とりあえずコイツでまだ使って無い

テイムの検証をしてみよう。

スライムを捕まえてテイムと唱える、

三角マークに丸印が着いた成功かな?


スライム自体にも索敵エリアが浮かぶ

俺は半径10mだがスライムは2mだ、

ふむ、俺の10mの端にスライムを置いてみた、


10m+2mで12m先の薬草にマークが浮かぶ、

なるほど数珠繋ぎで先の方まで索敵出来そうだな、


スライムが動いて俺のエリアから抜け出ると

スライムの索敵エリアが消えどっかへ行ってしまった、


もう一匹テイムして今度は俺のエリアからでないように指示する、

すると、さっき逃げたスライムが

今テイムしたスライムのエリアに入ってきた、


そいつにも出ない様に指示する。

一度テイムすると使役は消えないようだ、


次々とスライムをテイムして俺のまわりに4匹、

そのまわりに12匹、計16匹半径14mの索敵エリアを確保した、


俺の動きと同調して移動してもらう、

息ピッタリの連合艦隊だ(皆んな小舟だが)

安全を確保してようやく休息が取れる、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る