第84章 地球が凍える?⑤
大王が去った地球では、地下に避難をしていた人々が地上に出てきて、それぞれの生活再建を初めていた。
「ようやく人間たちに平和が訪れましたね」
キアヌが安堵したように、ガーピスの顔に眼をやった。
体が元に戻ったガーピスは、キアヌの言葉に少し頷いて応じた。だが、まだ警戒を解いてはいなかった。
なぜか大王があっさりと地球を去っていったからだ。また地球に戻ってくる可能性もある。それに備えて防衛対策をいまからでも、すぐに準備しないといけない。
「火星はどうなっただろうか?」
ガーピスは改めて訊き返すように、空に眼をやり声をあげた。
「ゲバラと宮島さんが、彗星衝突回避の準備を進めているはずです」
キアヌが即座に答えてきた。
それは訊かなくても知っていることだ。だが、ガーピスは言い知れぬ不安を感じていた。大王が地球を捨てるように去っていったことと、なにか関係しているようにも思えたからだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます