第84章 地球が凍える?④

 大気圏を離れた大王は、地球に眼をやった。


「邪宙、地球が壊れるというのは間違いないのか?」

 大王は念を押すように訊ねた。


「はい。私の計算では78%の確率で、地球は破壊されます」

 いかにも鬼という姿をした邪宙が、腰を低くして答えてきた。


 邪宙はそのゾッとする外見と違って、科学力とは別に特殊な予兆能力を持った大王帝国の知恵袋だった。火星に向かっている彗星の動きをつぶさに観察していた。


「そうか。どっちにしろ、ガイガーがいなくなった地球にはもう興味がない。今度は金星を征服する。その次は太陽系を出て俺様が銀河の支配者になる」

 大王は野望をまくしたてると、小さく見える金星に、獲物を狩る眼をやった。


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