第83章 超巨大ウイルス?⑫

「なるほど自然に修復できるということか。だがどこまで通じるかな。その刀を使い物にならなくしてやる」

 リーダーと思われる怪物が見下すように、声を投げつけてきた。


「俺様たちは不死身だ。どこを切られても修復できる」

 別の怪物が吠えてきた。


「そうか。試してみよう」

 声を飛ばしたガーピスは飛び上がると、剣を水平に放った。


 ズバ! という切り裂いた音がすると、正面の怪物の首がばっさりと切り落とされた。頭は地響きをたてて地面に転がった。


「カストロ、キアヌ! いまだ、絶対零度弾を撃て!」

 言われたキアヌたちはすぐさま、首の中に弾を撃ち込んだ。


 そこに、ゾッとする光景がキアヌたちの眼を奪った。なんと首なしの怪物は転げ落ちた頭を掴み、首に引っ付けた。


「グォォ!」

 頭を引っ付けた怪物は断末魔の声を吐き出すと、全身が泥の塊のような姿になり、膝を落とし前にバッタリと倒れた。そしてゴゴーン! という破裂音を周りに飛ばし、怪物の体は粉々に砕けて、四方に飛び散った。


「これが、絶対零度弾の威力か」

 カストロが驚嘆の声をあげた。


 ガーピスはその間に、もう一体の怪物の首を切り落とした。


「頭を狙え!」

 ガーピスの大声に、キアヌたちはすぐさま地面に転がる頭に、首なし体が拾う前に絶対零度弾をぶち込んだ。


「グォォ!」

 頭に弾を撃ち込まれた怪物は眼球を浮かせた後、泥の塊のようになった。


 一方、主を失った胴体は方向感のない動きしていたが、何かにつまずいたのか、地面に倒れると不気味にもがいていた。がそれからしばらくすると、動かなくなった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る