第82章 みんなで火星を守るのだ①

「急いで火星に行きましょう」

 アリーナが吐くと、ベッドから足を下しだした。


「起き上がって大丈夫か?」

 俺はすぐに心配する声を上げた。


「ええ大丈夫よ。わたしのことより、火星の人々を守らないと」

 気丈な声を上げてきた。


 だが回復したとはいえ、立ち上がろうとすると、ふらつきだした。俺は驚いて、すぐにアリーナの体を支えた。


「ありがとう。大丈夫よ。さあ、急ぎましょう」

 アリーナは俺を杖代わりにして、腰を伸ばした。


「わかった。だが無理はするな」

 俺は体を気遣う言葉で返し、付添人のように腕を掴み一緒に部屋を出た。


「みんな、急いで火星に降りるぞ」

 先に部屋を出たゲバラが声を上げ、全員が着席すると基地を目指し、急降下を始めた。


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