第81章 不死鳥のごとく⑧
少し落ち着きを取り戻した俺は、改めて彼女の顔に愛想の眼をやった。すっかり変わり果ててしまった美しい顔。いや美しい顔に変わりはない。肌色が違うだけだ。
部屋を出ていったゲバラの言葉が、なぜか妙に浮かんできた。
ゾンビ。アリーナの顔色はゾンビのような色? 言われてみれば、ゾンビの顔色に似ているかも? まあゾンビでも、こんな絶世の美女なら襲われても逆に嬉しいだろう。頭を振って変な妄想を打ち消し、彼女の髪を優しく撫でた。
初めて出会ってから今日までのことが、走馬灯のように瞼に浮かんできた。思い出すとまた涙が頬に流れてきた。さっきの悲しい涙と違って、嬉し涙だ。
その涙のしずくが、アリーナの閉じた瞼に一滴、ポトリと落ちた。すると、それに反応してアリーナが瞼をゆっくりと開いた。
そして、俺の顔に瞳を向けた。
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