第40章 AI覇権戦争②

 両軍の戦闘がますます激しくなった。凄まじい爆発音が、地球をブルブルと震わせた。双方の蜂の大軍のような飛行ロボットに混じって巨大戦艦による空中戦、撃破され撃墜し落下していく戦闘機や飛行ロボットたち。その異次元の戦闘は、大地と青空をも破壊してしまいそうだった。


 両軍の戦闘による波動は、ゲバラたちがいる島も震わせていた。特に、戦闘艦から発射される核ミサイルのようなレーザー砲で攻撃されたら、海面上昇から生き残った島も吹き飛ばしてしまいそうな破壊力だった。


 幸い、ゲバラたちがいる島から戦場は離れているので大丈夫だとは思うが、運悪く流れ弾が飛んでこないとはかぎらない。それが戦争というものだ。案の定、心配した流れ弾が飛んできた。


「みんな、避難しろ!」

 ゲバラは叫ぶと、部下と共に隠れた場所から退避した。


 退避して1、2秒もしないうちに2発のレーザー弾が着弾し、隠れた場所を跡形もなく粉々に吹き飛ばした。どうにか被爆を逃れたゲバラたちは、隠してあった戦闘機に次々に飛び乗った。そして発進させると、上空ではなく海中に突っ込んだ。


 そこも北極海の綺麗な海中ではなかった。ここでも激しい戦闘が繰り広げられていて、破壊された両軍の機と抉られた海底の破片で、ひどく澱んだ海になっていた。


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