第28章 3年前⑥
竜司は恵美から離れると、母の傍に立った。
「母さん」
物言わぬ母の手を握り、別れの言葉を発した。
「兄さんも、気を付けて」
名残惜しそうに、代わりに恵美が言葉を返し、そして運ばれていく母に付き添い、機内に入っていった。
母たちが宇宙船内に消えると、竜司は待機している護衛機に急いで乗った。宇宙も安全ではないのだ。宇宙船が地球から遠く離れるまでは、ガイガー軍に襲われないように守る必要がある。
護衛隊と共に宇宙まで飛んできた竜司は、地球を見下ろした。まだ方々で原爆のようなキノコ雲が上がっていた。幸い、ガイガーや大王の戦闘機が襲ってくる気配はなかった。ガイガーと大王は、地球を脱出する宇宙船には構っていられないということか?
だが、まだ安心はできない。大気圏を離れたばかりだ。
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