第7章 人類の文明滅亡①

 その戦争とは、権力者たちの抑圧と飢餓に耐え切れなくなった、民衆の反乱によるものではなかった。AIたちが反乱を引き起こし、人間社会を攻め滅ぼしたのだ。


 あのターミネーターの映画と同じことが、本当に起きたのだ。SF映画の物語だけだと思っていたのが現実となった。ただし映画のストーリーと違うのは、AIの圧倒的な知能と戦闘力の前に、映画のように人間は反撃などできなかった。アメリカ、ロシア、中国、世界各国の軍隊は次々と全滅していった。まったく太刀打ちできなかった。地球の表面は焼き尽くされ、人類の文明が滅んだ後、生き残った人たちはロボットの厳しい監視下で、奴隷のような生活を強いられることになった。


「大谷さん、いったいどうしてこんなことに?」

 一通り説明を聞き終えた俺は、直ぐに疑問をぶつけた。


「天才ともてはやされた連中が自分たちの能力を過信して、とんでもない化け物のAIを造ってしまった。そいつはロボット軍を組織して、アメリカ、中国、ロシア、世界の軍隊を全滅させて地球を支配しています」

 周りの気配を探るように眼をやりながら、大谷は声を荒げた口調で説明してきた。

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