紫の夜、到来

現在日曜日で家から1番近い駅に着き時刻は14時10分

目の前には、天使のような可愛いJK。

なのに、後ろからにじみ出るどす黒いオーラ。

「私、14時集合って言ったよね?」

「・・・はい。確かに」

「正座」

「えっここ外なんだけど」

「せ・い・ざ」

「・・・はい」

日曜日の人が多い駅前で正座させられている男子高校生が1人。

「女性を待たせるなんて男性として失格だよ?」

「・・・すいません」

家での葛藤の事を話すと余計にめんどくさくなりそうなので僕は、何も反論せず(反省もせず)10分間、青井さんの小言に付き合った。

「まぁ、今回は大目に見るけど次やったら刺すから」

(青井さんお忘れか?もうあなた僕のこと刺したことあるんですよ?)

「そういえば、青井さんの言ってたもう1人は?」

「なにいってんの?そこにいるじゃない」

(青井さんの指指す方向は僕、、、じゃなく後ろ?)

正座させられているので、視線だけ後ろに向けると、なんとこれまた手に持つが似合う黒髪イケメンがいるではないですか、、、

「青井さん・・・どういう状況なのか説明よろしいか?」

「赤羽くんの後ろで黒髪イケメンが刀を持って立っているのよ」

「僕の心のセリフをリピートしてくれてありがとう。それが異常な光景なのはお分かり頂けてる?」

「別に先日もあったじゃないこんなこと」

「その犯人あんただけどな」

「、、、おい。なに青井様と親しくしてんだコラァ」

「紫崎、待て」

(そんな犬みたいな・・・)

「ワン、、、じゃなくて、ハイ!」

疑いようもなく関わりたくない人種ですね。

「紹介するよ。こいつは紫崎夜しざきよる私たちと同じ高校の後輩でよ」

同類というのはおそらく権能所有者パワーホルダーのことだろうか。

「紫崎、一応挨拶しなさい」

「、、、紫崎夜しざきよるです。死ね」

「・・・」

「俺の先輩は青井楓あおいかえで様だけだ。俺とも青井様とも馴れ馴れしくすんじゃねえぞ。あと死ね」

(見た目と喋り方がこんなに合ってない人間初めて)

とりあえず、語尾が「死ね」の人間とのコミュニケーションの仕方は知らないのでほっとくことにした。

「青井さん、それで今日は結局なんの買い物をするんですか?僕にも関係あるんですよね?」

「そうね、じゃあ移動しましょうか」

その後、土下座していた男子と刀をぶら下げる男子を引き連れる青井さんの姿はなにかのアニメの再現かと思われSNSに広がり、アニメオタクたちの間で少しバズったらしい。

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