二度あることは三度ある

青井楓あおいかえで紫崎夜しざきよる赤羽春あかばねはるもとい、殺人犯とその仲間(下僕)その被害者の3人組は、SNSで少しバズりながら日曜日の駅前を歩いていた。

「それで青井さん、、、僕たちどこに向かってんの?」

「おいテメェ、、、青井様に舐めた口聞いてんじゃねぇ。黙ってついてこい」

「後輩よ。もう少し年上に敬意を持ってもバチ当たんないよ?」

「うっせぇな、俺が敬うのは青井様だけだ」

「・・・2人とも」

「なに、青井さん?」

「なんでしょう、青井様?」

「うるさい」

「「・・・すいません」」

こんなコントを挟みながら青井さんは、駅前の店が密集してる道をキョロキョロしながら、

「ここでいっか」

と、暗い路地裏に入っていき、手をスリスリ合わせ始めて、

「いくよー ホイ」

パチンッ

青井さんの手を叩く音が路地裏に響いたかと思えば、暗くて閉鎖的な空間と真逆な風景が僕の視界に広がった。というよりアニメのワンシーンのように切り替わったと言うべきか。

「こ、、、こ、は」

「私の家」

僕の目の前に広がる光景は、どこかの山のふもとにポツンと建っている神社の前だった。

「えっ・・・ここ神社だし、そもそもさっきまで駅前の路地裏に」

「いってなかった?私、1回行ったことある場所には一瞬で行けるの」

「なにその便利な能力」

(ていうかさ、そんな能力持ってる人にさっき僕は、10分の遅刻を10分間怒られたの?)

「青井さん、ほんとにここに住んでるの?」

目の前に見える神社は、大きさはそれなりにあるものの所々に穴ががあり、お世辞にも人が住むには無理があるように思える。

「正しくはこの裏にある別の建物が私の家よ。後、この神社のことボロいとか古そうとかそれに類する事を考えたら許さないわよ」

・・・ 目の前に見える神社は、とても大きく立派で所々に綻びがあるもののそれが歴史を感じさせる由緒正しい神社に感じた。

「なんか分からないけど今無性に気分がいいわぁ」

・・・この無駄に鋭い感性をお持ちの青井楓あおいかえでに苛立ちを覚えながら次の彼女の発言ににまたもや僕は絶句することとなる。

「さて、赤羽くん。ここで君には私ともらうよ」

「はい?」

世の中には、こういう言葉がある「二度あることは三度ある」

僕は、三度目となる青井さんの刀と対峙することとなる。








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