裏切りの青い春
自分の胸から昨日俺の心臓を貫いた刀を取り出す青井さんは、ニッコリと微笑みながら、
「つまり、私は貴方に復讐する権利があるの」
「え~と、
はりつめる緊張した空気
「うん、ないよ」
霧散した緊張する空気
「はい?」
「実のところ復讐とかはどうでもいいの。そもそも、
「えっ!?じゃあ何で僕は今、鋭利な刀を胸に突きつけられてるの?」
「・・・雰囲気で?ついでに昨日も君が想像以上に面白い反応するもんだからからかっただけ」
「雰囲気で昨日心臓刺されたの僕!?」
「まぁまぁ、おかげでこの特殊な自分の状態に気づけて良かったじゃない」
(昨日の雰囲気が演技とか女怖ぇぇ)
とか思いながら青井さんがしっかり刀を胸の谷間にしまっていく様子を確認し少し安堵。
(でも・・・どちらにしても不思議な光景だよなぁ)
長い刀が体に収納されていく様はなんとも不可思議でボケ~っと眺めていると不意に嫌そうな目で青井さんがこっちを睨んでいることに気づく。
「赤羽くん、冗談だったとしても刀を突き立てた相手の胸をガン見するのはどうかと思うよ?」
「・・・すいません。ごめんなさい。反省しますのでまた刀を取り出そうとしないでください」
今度は絶対演技ではなかったであろう嫌悪感を刀とともにスッと胸にしまってくれた青井さんはまたイスに腰掛けて今度は真剣な顔をして僕に問いかける。
「で、どうするの?」
「えっと、、、何が?」
「いやいや、これからのことに決まってんじゃん?一応私たちは本当に非日常的な力を有してんだから赤羽くんは自分の力を知ってどう生活するのかってこと」
「そういわれても、まだまだ知らない事ばっかりのこの状態で決めるなんて出来ないよ」
「それもそっか・・・それじゃぁ」
青井さんは、僕に聞こえない声でブツブツとなにかを言っているかと思えば、急に大声で、
「赤羽くん、あたしと付き合ってくれない?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます