赤い春のお迎え
あの後僕は、家に帰っても先程までの事で頭が一杯でそのまま2階の自分の部屋に入り、ベットで頭がシャットダウンした。
気づいたときにはいつも起きる時間よりはるかに早い朝5時を時計が差していた。
「あのまま寝ちゃったのか」
あくびをしながら、1階のリビングにいくとサランラップされたご飯が置いてあり、
「春へ お母さんは夜勤なので帰ったら温めて食べなさい」
置き手紙を読んで、ラップしてある物を電子レンジで温める。
「夜ご飯のだけど昨日帰ってから何も食べてないしこれが朝ごはんでいっか」
(朝からハンバーグは重たいかもしれないけど、今は凄いお腹が減っているから大丈夫かな)
独り言と心の中で1人で会話するのは、幼い頃に父が亡くなり、それから母が僕を養うために仕事を夜勤までするようになってからだ。
幼い頃は夜に1人でいると怖いから1人でずっと喋っていた。そしたら高校生になっても癖が抜けなくなってしまった。
「まっ結局1人しかいないんだから別に困らないんだけど、、、」
「でも、誰かに聞かれたら恥ずかしくない?」
「まぁそりゃ、、、、あ!?」
自然な会話の返しに一瞬違和感なかったけど独り言で会話のキャッチボールが成り立つわけないのだ。
振り向くと先程まで誰もいなかったはずのイスに「
チーン
そこで温め終わった電子レンジが告げる音が僕には人生終わりの音に聞こえた。
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