第8話 デメニギス

 竹内は77歳になっていた。友人は何人か亡くなっているが、竹内は風邪になったことすらない。

 久々に君津に戻って来た。  

 亀山温泉街はネオンが灯っている。 

 房総半島の奥座敷として、緑豊かな大自然に囲まれ、東京湾に注ぐ小櫃川を堰き止めて作られたダム湖である亀山湖(亀山ダム)の畔にある。

 ホテル、旅館は「桜温泉ホテル」および「柳旅館」が存在する。日帰り入浴も、上記施設の日帰り受付を利用することになる。他に温泉を利用した宿泊施設は「ペンション桂園」および「湖畔の宿菖蒲」がある。房総半島の中央付近に位置するため、海、山、川、平野のすべての食材が簡単に入手でき、山菜、タケノコ、カツオ、アユ、ウナギ、キノコなど四季折々の地産地消料理が各旅館で提供され、特に「しし鍋」は名物となっている。


 キャンプ場や湖畔公園なども整備されており、25橋巡りのサイクリングやハイキング、周辺各所にはボートハウスがあり、ボート遊び、釣りなどが楽しめる。 毎年8月には亀山湖上祭君津市民花火大会が開催され、夜の花火大会は人気のイベントとなっている。また、秋には亀山オータムフェスティバルが開催され、亀山湖周辺のハイキング大会や遊覧ボートでの湖上からの紅葉めぐり、また1日限定で亀山ダム放流の見学会などが行われる。

 パトカーがひっきりなしに走ってる。

 中国の怪物が大量に死んだおかげでコロナは収束した。

 マスクをする必要がなくなったから爽快だ。

 翌日にはロマンの森共和国にやって来た。

 房総丘陵の小糸川上流部、国道410号沿いに位置する施設で、「森と湖のリゾート」をキャッチフレーズとする。400,000平方メートルの広大な敷地に、パターゴルフ場、グラウンドゴルフ場をはじめ、アスレチック、グラススライダー、プラネタリウムなどのアトラクションが展開している。園内には池もあり、釣りができるほか、ボートの貸し出しも行っている。夏にはプールが開業する。

 釣りをしたらとんでもない魚を釣り上げた。🎣

 頭の中がスケスケで鼻は目みたいに見える。

 全長は10m程度だ。

「あぁ、こりゃあデメニギスだ」

 渡辺謙に似てる人が魚を見ながら言った。

「詳しいですね?」

「北太平洋の深海に棲んでるんだ。透明なドームには液体が満たされてる」

「学者さんですか?」

「精神科医です」

「それじゃあ」

 竹内はデメニギスをリリースして、その場から立ち去った。 

 腹が痛くなったのだ。

 公衆トイレに入ったが、出なかった。

「おかしいなぁ」

 深海にいるはずの魚がどうしてあんなとこにいるんだろう?

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