第5話 幸せを取り戻せ
1940年代末の君津……街は
長嶺は安西を打倒するために、正式な取り締まりでなく非合法的な攻撃によって安西の組織を衰退させる計画を太陽に打ち明ける。元軍人で特殊作戦にも従事したことのある太陽は、警察の支援はおろか同僚にすら身分が明かせない危険な作戦を了承し、早速チームの編成を行う。
太陽の子供を身籠もっている妻のマツは当初は反対するも、結局は彼の熱意を理解してチーム編成を手伝うことにする。太陽はマツの助言から、投げナイフの使い手の
一方、太陽の同僚である
太陽が声をかけた3人は作戦を了承し、まず安西の雀荘を襲撃する作戦を実行しようと集まった際、こっそりチームについてきた雷電の部下であり、自動車運転に長ける
だが、安西配下の警官が多数護衛を務めている雀荘であったことを知らず、逆に追い返されたうえに太陽と安田が逮捕され、早くもチームは窮地に陥る。
そんな時、安西は日ごろから対立していたギャングの
竜太は激しい銃撃に晒されながらも辛くも生き延びるが近くにいた吉太郎も銃撃に巻き込まれ、傍にいた吉太郎と親しい靴磨きの少年、
激怒した吉太郎は襲撃犯を射殺。その足で居酒屋にいる安西を殺害しようとするがその場にいた宍戸に止められ
安西の雀荘が襲撃された件を聞く。そこで逮捕された2名が太陽らであることを察した吉太郎は、安西の配下を偽って2人が囚われた警察署を襲撃、雷電、脇坂、光村らの手伝いもあり脱獄は成功し、これを機に吉太郎も太陽のチームに加わる。
「吉太郎、俺はな?里見八犬伝で有名な里見氏の末裔なんだ」
「そうなの?」
「あれって
吉太郎は
脇坂の計画によって安西の自宅に盗聴器の設置を成功させたチームは情報収集を行い、密造銃ルートの襲撃を成功させるなど戦果を上げるが、チームの行為を、犬塚の報復行為であると考えた安西は、右腕の用心棒である
黒坂は犬塚だけでなく、その妻や使用人らを皆殺しにする。只でさえギャング同然の行為である上、自分たちの行動で関係ない人間にまで死者が出たことにチーム内で太陽を除く唯一の妻子持ちである脇坂は嫌悪感を訴え、安西の元に恋人の雛子がいる吉太郎も危機感を隠せないでいた。
そんな中、脇坂の盗聴によって安西の大きな稼ぎの元である隠れ電信会社の存在を突き止めたチームは会社の壊滅に成功するが、その場にあった金を一切盗まなかったことから安西に襲撃者がギャングでなく警官であることを察知され、そこから盗聴器の存在やチームの身元が割れてしまう。それを知らない太陽たちは安西の罠である偽の取引におびき出される。
別行動を取っていた吉太郎は雛子が安西の手下に襲撃されたのを間一髪守り、自分たちの状況を理解すると雛子を宍戸に預け、太陽たちの加勢に向かう。太陽らは犬山ら安西の手下らの襲撃を受けるが、吉太郎の活躍で窮地を脱する。
「犬山の奴、一体どうしちまったんだ?」
吉太郎は仲間の豹変ぶりに狼狽していた。
犬山は安西から太陽を殺せば1千万を報酬としてよこすと約束された。犬山の娘は不治の病と闘っていた。これだけの金があれば娘を救えるかも知れない……犬山は悪魔に魂を売り渡した。
チームに同行せず、アジトにて盗聴による情報収集を行っていた脇坂が黒坂の襲撃によって命を落としてしまう。
蜂の巣になって血の海の中に脇坂は横たわっていた。
さらに太陽の妻、マツも襲撃を受け、宍戸の元に身を寄せていた雛子の元には安西が直々に出向き、雛子をかばった宍戸は安西はドスで腹を刺され殺害される。マツは辛うじて無事であり、子供も無事に出産できたが、安西に正体がバレてしまった以上、君津からの逃亡を余儀なくされる。
チームの行為が明るみに出て、このままでは彼らの懲戒免職は避けられず、長嶺の引責辞任も時間の問題となった。太陽は最後の賭けとして安西が宍戸を殺害したのを目撃した雛子の証言をもとに、安西を殺人容疑で逮捕しようとする。
死亡した脇坂の盗聴によって入手していた情報で安西に抱きこまれていた検事の
激しい銃撃戦の末、雷電が殉職するが、太陽は安西との一騎討ちを制し、安西を逮捕する。雛子の証言により安西は有罪となり、一味は崩壊する。
平和の訪れた君津では吉太郎と雛子が結ばれ、太陽は妻子と穏やかな暮らしを始めていた。
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