第4話 久留里城
霊安室で星子は、和正と別所の遺体にキスをして蘇生することに成功した。
「三途の川の向こうで母親が手招きしてた」
別所が臨死体験を和正たちに話した。
「何か、筒みたいな暗いところを歩いたな」と、和正。
武藤は、別所たちを失った過去を引きずりながら、犯罪の頻発するチャイナタウンに乗りこみ取り締まりを開始する。強引な摘発を続け、マフィア全体を潰そうとする武藤に対し、相手のボス達は強く反発する。しかも警察の上層部はマフィアと暗黙の協定を結び、末端の摘発だけで事を済まそうとする。警察内部でも武藤は次第に孤立していく。
一方、マフィア新世代のボス、田中浩二はイタリアン・マフィアや身内の旧体制派、かつての取引相手を容赦無く粛清し勢力を拡大していく。たびたび起きる殺人事件に田中の影を見て取った武藤は生き返った別所を潜入捜査官として田中の組織に送り込むが、田中もヒットマンを差し向け武藤の自宅を襲撃、正体を見破られた別所も殺害された。
和正は再び、別所が死んだことなど知らず君津を探索することにした。
君津市は、千葉県の南部に位置する市。
木更津港君津地区に位置し、東京湾沿いは日本製鉄(旧新日鐵住金)を中心とする重工業地域であり、市街地も君津駅を中心とした沿岸部に集中している。内陸部の久留里地区はJR久留里線が通り、江戸時代に久留里藩の城下町として栄え、歴史的町並みが残されている。
清澄山・三石山系の地下水は平成の名水百選「生きた水・久留里」に選定され、湧水を活用したカラー(湿地性植物)の生産量は日本一である。
和正は
別名、雨城・霧降城・浦田城とも呼ばれる。
久留里城は室町時代に上総武田氏の武田信長によって築かれた山城(古久留里城)で、以降は信長の子孫である真里谷氏が支配した。戦国時代には真里谷氏は衰え、代わって里見氏の拠る所となり、里見氏によって再構築され(新久留里城)、佐貫城と共に対北条氏の最前線を担った。その後、江戸時代には久留里藩の藩庁として再整備され、酒井氏の加増地となった17世紀末から18世紀半ばを除いて、近世城郭として明治維新まで維持された。
久留里城は現在本丸のある近世城郭部に加え、安住原地区、怒田遺跡および山麓小櫃川河畔の近世居館部の4つの郭群からなる。この内、江戸時代には近世城郭部と近世居館部のみが城域として維持されたが、安住原地区については真里谷氏時代の遺構であり、里見氏時代には既に放棄されていたと考えられている。ただし、安住原地区は里見氏時代も引き続き使用されたと考える向きも多い。
山麓の近世居館部は一部の土塁を除き開発により消滅したが、車道で一部が削られたものの山上の遺構は比較的よく残り、天守台等の近世遺構に加え、堀切や削り残し土塁等の中世里見氏時代の遺構も見られる。また、山上は湧水が豊富で、男井戸・女井戸、お玉が池を始めとする、複数の水源が現在でも水を湛えている。
スマホが鳴った。恋人の月子からだった。
「何かあったのか?」
《よく聞いて?別所刑事が死んだわ》
別所は武藤の家で、拳銃で左腕と背中を撃たれて射殺されたそうだ。
「あの人また死んだのか?」
《まっ、またって?》
天守閣から街が爆破されるのが見えた。
黒い煙がモクモクと立ち込める。
敵は瀬島?それとも、田中?
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