第3話 チュートリアルさんが行方不明?

 身体中が痛い。取り敢えず痛みが引くまで今まで起こったこと整理することにした。

 いつも通り高校に行き、昼休みになって親友の彰と学食に行こうとして、食堂の席を確保する為に急いで教室から出ようとしたら、いつのまにか森の中にいて、弓を持ってファイアーボールしてくるおっさんたちに追いかけられた?まったく意味がわからない。ただ1つ分かったのは、 

「ここ日本どころか地球ですらねぇわ」こんなときの基本はやっぱり、

「出でよ我がステータスカード」

シーン ナニモデナイ‥‥‥ダト⁈

「ステータスオープン」

 少し恥ずかしさを覚えつつ再度唱えると、半透明の四角形い画面が出て来た。そこには、

 

サワイ ユウジ レベル:1 種族:ヒト

HP:25/65 MP:20/20

VIT:15 STR:20 AGI:20 DEX:15 MEN:15 INT:15

固有スキル:薬草採取 lv1<発見>

スキル:言語理解、アイテムボックス、鑑定眼

称号:異世界人、晩熟

sp:0


 MPが、魔力があるだと⁈と驚いてからついさっきファイアーボールっぽいものを撃たれたことを思い出す。あと、HPが減っているのは崖から落ちたからだろう。

 うーん微妙なステータス?基準が分からないからなんともいえないが、チートさんは何処へ?オークとかに襲われたらアウトっぽくね?

 考えてもわかる気がしないし、呼んでも出て来なそうなので、一旦頭から追いやり、あたりを見渡す。崖から落ちたのに森は続くらしい。お決まりの迷宮とかはないの?探してみたいが、もう少しで日が沈む。取り敢えず今日寝る所と、水や食料の確保が先だ。

 寝床はウロウロと辺りを歩き回ってみたが良いところは見つからず、結局さっき落ちた崖づたいにしばらく歩いたところにある洞窟に他の生き物はいなかったので、そこで夜を明かす事にした。寝床は見つけるのに時間がかかった。

次は食料。肉を食べたいが歩き回った感じでは、身体能力は地球にいた頃と変わっていないので、無理そうだ。

 そういえば、魔法があったってことは魔物もいる?最初に出てくるのはスライムかな?ガサッ

 フ、フラグっぽいのを立てたのがいけなかったのだろうか。後ろを振り返ると、スライム‥‥‥ではなく、ゴブリン?鑑定眼のおかげで名前だけは分かる。そう、みんな大好きゴブリンだ。しかも2体。いきなり人型かよ‼︎身長は‥‥低いな?じゃなくて、スライムチュートリアルさんは?まだ気付かれてはいない。逃げ‥ポキッ

「あっ」

 逃げようとして枝を踏むなんてベタなことをやってしまったぁー

 ゴブリンA,Bがこっちに来た。

 まず交渉、専守防衛、平和主義なのだ‼︎

「どうもどぉうーもーゴブさん方?わた‥どうわぁ〜」

 交渉失敗。あいつら話を聞く素振りすら見せずに突っ込んで来ただと⁈


 フハハハ。ならば、我が聖剣の消し炭にしてくれ‥‥武器持って無いんだっけ‥‥


 仕方ない。ならば、我が魔法の錆にしてくれ‥‥‥魔法も覚えてねぇよ MPのムダ?ホットケ


 ゴブ供も棍棒を持っていないだと⁈タイマンで殴り合えと?誰得だよホントに。


 さっき突っ込んできたゴブの脛を蹴る。

ゴブがひっくり返る。


 すかさず、近くに落ちてた顔くらいの大きさの石でトドメを‥‥


「うぉっ」

 ‥‥刺せない。もう1体のゴブが突っ込んでくる。


 今攻撃してきたゴブの頭に持っていた石を叩きつける。


 ゴブが倒れる。


 ひっくり返っていたゴブが起き上がるや否や腕を振り上げ突っ込んでくる。



 手に持っていた石を投げつける。



 またゴブが倒れる。


 起き上がって‥‥起き上がってこない。どうやら倒した様だ。


【ユウジのレベルが2に上がりました。】



 ‥‥そうか‥‥ゴブは死んだか‥‥‥ゴブよ‥‥お前のことは忘れるまで忘れ無い‥‥

 ところでレベルは上がったらしいけど、ステータスはどうなったのかしらん?と思い、ステータスプレートを開くと‥‥


サワイ ユウジ レベル:2 種族:人間 

HP:25/70 MP:20/25

VIT:16 STR:21 AGI:21 DEX:21 MEN:16 INT:16

固有スキル:薬草採取 lv1<発見>

スキル:言語理解、アイテムボックス、鑑定眼

称号:異世界人、晩熟

SP:10



 ステータスの上がり悪くね?


 なんてこともあったが、幸い晩御飯?はすぐに見つかった。というのもスキル薬草採取の発見の効果なのか、毒があるとか食べられるといった情報が生えている植物を見ただけでなんとなく分かるからである。今日の主食は‥‥‥ふきのとうみたいな形をしている君に決めた‼︎

 縄文人の様に火を起こし灯りを確保して、そして、いざ食べてみると‥‥‥

「うぇぇ〜まっず」

 苦い。でも、慣れたらクセになるかも?

「いや、不味すぎるだろ!」

 ムリダッタヨ パタリ ポクポクチーン

 とはいえ今日の主食はソレなので涙目になりながら口に詰め込む。こんなことになるんだったら、他に何種類か探しておくべきだったよ。

 寝る前に取り敢えず、状況を整理することにした。

 これからの目標は取り敢えず、人のいるところまで行くことにした。

 次にアイテムボックスを漁ってみる。異世界にわざわざ呼び出したんだから、聖剣ぐらいはあるよね?、ね?

 聖剣普通の剣が入っていた。うーん、そこら辺で売ってそう?

「武器あるじゃん。ゴブを石で倒す必要なかったし。えぇ〜」

 先に漁っておくべきだった。

 ところでSPとは?SPセールスプロモーションSPセキュリティポリスもしもしポリスメン?という冗談はさておきスキルポイントだろう。使い方は‥‥‥技能系以外の頑強などの強化系スキルの取得や既に取得したスキルを強化するのに使うらしい。スキルレベルは50まであり、派生スキルを持つものもは、条件を満たすと勝手に習得したことになるらしい。ところで技能系スキルってどうやったら増えるんだろうか?折角魔法がある世界に来たのに魔法を使えないなんてあんまりだあ〜だぁ〜だぁ?はっ、もしかして30歳になっていないから使えないと言うことか?そうかあのおっさんファイアーボールはどうてry‥‥おじさん‥‥きっと良いことあるさ‥‥ある‥‥ヨネ?

 結局、ポイントは薬草採取を強化するのに使おうかと思ったが何があるか分からないし、取り敢えず保留にしておくことにした。

今日はいろんな事があり過ぎた。彰達はどうしているだろう。



 あぁ眠気が…….. zzzZZ

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