第19話 翌日(浩司)

朝から缶コーヒーをもって「不死鳥」というキーワードからの聞き込みだ。


高校生がいそうなところーーゲームセンター、マクドナルド。

そんなところしか思いつかない。


このごろは、どんなところで過ごすのだろうか?


近くの道路ぞいのゲームセンターへとむかった。

店のなかをグルグルと見て回る。

しかし、いなかった。


まさか、喫煙所にはいないだろう。

だが、ちょうどタバコが吸いたくなったので、近くの喫煙所へとむかった。


タバコに火をつける。


「ーーあれ、この前の...??」


声がした。

そこには以前、取材に応じてくれた高校生がいた。


「ーーきみはあのときの......あの時はありがとう!!」


「その後はどう?」


みょうに馴れ馴れしい口ぶりだ。

若いからだろう。


ーーそういえば、名前は??


ニ度目にして、初めてカノジョのナマエをきいた。


「中岸直子(なかぎしなおこ)っていいます。あなたはジャーナリストのアキヤマさんですよね?」


「覚えててくれたんだ。ーーところで聞きたいんだけど、最近はどこで遊んでるの?」


「うーん。あんまりトモダチと遊ばないからなぁ??」


「そっか。ところで、不死鳥って言葉をきいたことあるかな??」


「不死鳥?ーーあ、ノゾミがいってたよ」


「どんなふうに??」


高校生がキツエンジョにいることも、タバコを吸っていることも、このさい、どうでもいい。

今は不死鳥のことがしりたい。



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