第20話 心理学で人を殺せるか

「なんかね、フシチョウは危険な組織だって言ってたよ」


「ーーキケン?どんなふうに?」


おそらく俺の目は今とても好奇心で溢れていて、目が輝いているだろう。


「知ってるところだけだけど、フシチョウは9月5日、年に一回だけ集まるみたいなの。その日にそのグループの中で、ターゲットが決まって」


ーーターゲット?


「え?フシチョウは心理学を追及してるんでしょ?」


俺は再び聞いた。


「表面上は...ね!」


「え?どーゆーこと?」


「あのフシチョウってグループは、ジッケンをしてるみたいなんだ」


「ジッケン??」


「うん。心理学でヒトを殺せるか?ーーそんなキケンなジッケンをしてる」


「いわゆる殺人グループがフシチョウってこと?」


「そう言うこと。私もそのグループにいたからーー」


ーーなん...だってぇ?


「どんなふうに人を殺すの?」


俺は聞いた。


「そこまでは分からない。私、すぐにやめちゃったから」


「そっか。ありがとう!ーーじゃ、どんなふうにターゲットを決めるの?」


「それは......」


とても言いにくそうな顔で、俺を見るとカノジョは続けようとした。


ーーそれは??


「それは...クジ」


ーーはい?


「ーーまさか、くじ引きで実験のターゲットになっちゃうの?」


彼女は黙ってうつむいた。


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