第14話 様子がオカシイ少女

その頃、田中宏美の事を探っていた敦は、校門の前で、同じ様に高校生たちの帰宅時間を待った。


PM 10時30分。

帰宅時間よりも少し早くに、女子高生が青白い顔をして出てきた。


「ーーちょっとそこの君!顔色が悪いけど、大丈夫?」


まるで不審者だ。

連れ去り、とかを考えている様な危険人物みたいな話し方だったが体調が悪ければ引き止めるのは可愛そうだ。


「ーー大丈夫です」


彼女は一瞬たりとも敦の方を見ず、前だけを見て歩いている。


ーー何か、様子がオカシイ。


ジャーナリストとしての勘がそう訴えている。敦はそのまま彼女の事を尾行してみる事にした。

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