第13話 不死鳥

周りをキョロキョロと確認しながら、護の方に歩み寄ってくる彼女は、声を潜めてこう言った。


「ーー不死鳥」


その後口許に人差し指をあてて、シーってやる様なポーズを取る。

護もまた小声で聞き直した。


「不死鳥って何なの?」


ふぅ。

彼女は深くため息をついて、私の顔を見た。

二人はヒソヒソと話を続ける。


「詳しくはわからないけど、、ケイコの死にきっと何か関わりがあると思う」


「どうしてそう思うの?」


「ケイコから、その名前を聞いた次の日だったんだ。ケイコが自殺したのーーお願い!マモルさん、ちゃんと真実を見つけてね」


「あ、あの君の名前は?」


「紫織...勝又紫織かつまたしおりです。何かわかったら、また教えてください」


そう言ってニッコリと微笑むと、彼女は深々と頭を下げて、その場を去っていった。


ーー不死鳥。


紫織さんが護に託した希望。

ジャーナリストとして、必ず、真実を見つける。


その頃、田中宏美の事を探っていた敦はーー。

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