西島佳子。

まるで不審者の様に、護は校舎の方を眺めていた。

寂しそうにトボトボと歩いている子を見つけると、すぐに駆け寄る。

ゆっくりと歩いていた女子高生は、細身でセーラー服に歩かれているかのようにセーラー服が、ブカブカに見えた。

髪はショートに切り整えられていて、高校生なのに化粧をして歩いている。

「ねぇ、君ーーちょっといいかな？」

「なんですか？」

彼女は不審な人を見る様な目で、こちらを見る。

いつもの事だ。

こんな風に冷たい目で見られる事にはもう慣れている。

「ーーこの子、知らないかな？」

護はいつもの様に写真を一枚手渡す。

そこではまだ生きていた頃の西島佳子が微笑んでいる。

「ーーあ、知ってる！ケイコでしょ？」

「その子について調べてるんですが、何か知らない？」

「何かって言われても、最近死んじゃったんだよね??何でも自殺しちゃったとか聞いたけど、それ以外はわからないよ」

「そっか。じゃ、彼女に変わった様子はなかったかな？」

「全然ーーいつも通りの様子だった。変な様子なんてなかったよ？」

ーーふぅ。

深いため息がこぼれた。

今はこの自殺について何の成果も上がっていない事への不満が膨れ上がる。

「そっか。ありがとう」

護が頭を下げて、その場を離れようとしたその時ーー彼女が声を発した。

「ーーでも」

護は再び彼女を見る。

ーーでも？

護は彼女の口から放たれる次の言葉を待った。

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