第11話 マモルの近況

その頃、西島佳子について調べていた護もまた高校の近くで、聞き込みをしていた。

それぞれの事を知らなければ、自殺の動機や共通点など見つかるはずもないのは百も承知だった。


高校生たちが学校からはきだされるようにして出てくる。


ーー今がチャンスだ。


護はこのチャンスを逃すまい、と賢明に駆け寄る。


「すいません。僕こーゆー者ですがーー」


足を止めて、名刺を差し出す。

そこにはジャーナリストである事などが印字されている。


女子高生の1人が足を止める。


「何ですか?」


不思議そうにこちらを見てきた。


「ーーこの子の事を知ってるかな?」


護は一枚の写真を差し出した。

そこには西島佳子がうつっている。


「ーーうーん。見覚えないなぁ?誰ですか?これ」


対応してくれている女子高生が、こちらを見て聞いた。


「彼女は先日、亡くなったんだ。それで僕は事実を調べてるんだ」


「事実って...?? 何か不審なところがあったの?」


護は黙ってうつむく。


「ーー分かった。ありがとう!!」


軽く会釈をして、また別の高校生に話を聞きに行く。

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