ショコラとセサミの質問回答コーナー

「みな様、おはようございます。ガチサキュバスメイドのショコラです」


「お相手はセサミ人型形態よ」


 ショコラとセサミの人型形態が机をはさんで向かい合って座っている。


「セサミ……?」


「ん? どうかした?」


「その口調はなんなの?」


 セサミの語尾と言えば「ゲス」「ヤンス」「ニャー」の3択なのに、この人型のセサミはどれでもない。一体どの首から独立した存在なのか。不明である。


「これがアタシの口調だけど、なに? 普通の女の子の口調だと思うけど?」


「あ、はい。そういえば女の子でしたね。それはそれで置いといて、ショコラとセサミの質問回答コーナーを始めます」


「いえーい! ぱちぱちー」


「それでは、最初の質問です」


【観測所ショコラから見た爆弾魔ショコラはどう見えているのか気になる!】


「なるほど。質問ありがとうございます。爆弾魔ショコラ。お父様が私の姿に憑依した姿ですね。ふふ、私は微笑ましくて好きですよ。ただ、ちょっとサキュバスとしての作法がなってないので、そこはじっくりとその身に教えてあげたいくらいですかね」


「サキュバスとしての作法ってなに?」


「ん? セサミも身を以って教えて欲しいんですか?」


 ショコラがセサミの顎をクイっと持ち上げて半目の状態で口元をあげる。妖しいその表情にセサミは一瞬身震いしてしまう。


「うん。是非お願いするね。オルトロスの方に」


「その絵面はどこに需要があるんですか」


 セサミのボケで気を削がれたショコラは元の体勢に戻り、次のお便りを紹介する。


【Amberはショコラ以外の人型のモデルは販売するつもりはないのでしょうか?】


「これについてに回答はですね。現在、お父様が制作した人型モデルは、コンペやコンテスト系を除けば、ショコラ、ユノー、ホイップ、カスタードの4体ですね。確かにその内、販売されているのはショコラだけですね」(第413話現在)


「ユノーって誰だっけ?」


 セサミが首を傾げる。恐らくは多くの読者も忘れているであろうことなので、ショコラが解説をする。


「ふわふわしたガチ格ゲーマー堕天使のキャラで売っているVtuberですね。その正体はみな様のお察しの通り、教育大学に通っていてお父様の高校に教育実習に来た松風 純様です」


「あー。そういえばそんな名前だったね。あんまり絡みないから忘れてたよ」


「補足すると、2Dのキャラデザを担当したのは住職様ですし、ユノーに関しては

依頼されて制作したものなので販売する権利事態お父様にはありません。ホイップとカスタードに関しては、最初から特定のVtuberとしての運用を考えて作ったので販売はしないとのことです」


「ショコラはVtuberとして活動しているのに売っているけど?」


「ショコラは汎用モデルとして作られたものをVtuberとして使っているので順序が違うんですよね」


「言う程、世間での扱いは汎用って感じもしないけどね」


「それは言わないお約束です。既存の人間キャラに関しては、販売を予定していないので、今後のストーリー展開で人型モデルを販売用に作るって話になればショコラの後継機が売られるかもしれません」


「自分を機械みたいに言うんか」


「まあ、作らないという意思はないので、作るきっかけさえあればお父様は作ると思います」


 第2の質問に答えて、ついに最後の質問になった。


【あの方のグループの活動進捗】


「あの方……誰のことでしょうか」


「名前を言ってはいけないアレとか奴とかかな?」


「確かにグループと言えば、エレキオーシャンかな? とは思いますね。違っていたらごめんなさい」


「エレキオーシャンと言えば、CDを売って儲かったのかな?」


「その後、お兄様とは何のわだかまりもないようですので、借金を返す程度には稼げたと思いますよ」


「金銭関係のトラブルはみんなも気を付けようね!」


「グループとしての活動もまあ順調ですね。5年後を描いた【コハクトリゼ】でも、バンドは解散せずにやっているようですし」


「へー。5年もバンドを解散させないなんて長持ちだねえ」


「そうですね。それだけメンバーの仲が良いということでしょう」


「アレと師匠のやりとり見ているとそこまで仲がいいように見えないけどね」


「いや、仲は良いと思いますよ。アレの被害を直撃するポジションで友人関係を続けられるのは情がある証拠です」


「たしかに」


 なぜか妙に納得してしまうセサミだった。


「需要次第では今後エレキオーシャンのエピソードは来ると思いますよ」


「メンバー2人は人気投票での上位常連だけど、残りの2人は……」


「セサミ。やめなさい」


 作中での出番的に人気に差が出てしまうのは仕方がないので、そこには触れてはいけない。


「というわけで、ショコラとセサミの質問コーナー、いかがでしたか? また定期的にやりたいと思うので、その時も質問をしてくれると嬉しいです」


「ああ、ショコラ。最後にアタシから質問良い?」


「はい。いいですよ」


「アカシアとオッサンはどこに行った?」


「冬眠から目を覚ましたので食料を求めて山の中をうろついています」


「オッサンも?」


「はい。山菜を山の所有者に無許可で取ってます」


「犯罪定期」


「それでは、みな様。しばしのお別れですね。また茶番劇で会いましょう。さよならー!」

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