本編の補完

傀異化クマは許さない

「ハチミツください」


 とあるハンティングゲームをしているショコラとアカシア。アカシアは回復アイテムが切れたのでショコラにその素材となるアイテムをねだってきた。


「はい」


 ショコラがアイテムの受け渡し機能を使ってアカシアにとあるアイテムを授けた。アカシアがそのアイテムを受け取ると……


「これハチミツじゃなくてコゲ肉!」


「クマは雑食だからそれで我慢してくださいよ」


「せめて生肉にして欲しいクマー」


「贅沢言わないで下さい。火を扱う知能がない畜生に火を通したお肉を与えるだけで十分有情ですよ」


「火を通しすぎだクマー!」


 ショコラの頭をがぶがぶとするアカシア。ショコラは全く動じずに視線を観測者こちらに向けてきた。


「あら、いらしてたんですか? 本物のクマは狂暴だから困りますね。これならまだオッサンの方が可愛げがありましたよ」


「がぶがぶ」


「痛い痛い。やめてください。こめかみを的確に圧迫するのやめてください」


 流石のショコラもこめかみを牙で刺激されるのは耐えられなかった。


「人気投票企画も終わったし、乙女ゲームもマッチョなことになりましたから……次はそうですね。本編の補完をやりましょうか。なんか消化不良で終わったところとか、ここ裏ではどうなってるの? みたいなことを消化したいと思います」


「お前も消化してやるクマー」


「やめてください。サキュバスを物理的な意味で食べるのやめてください。食べるなら性的な方にしてください。セサミなんとかしてください」


「よし、任せろゲス。司会役はセサミが引き継ぐからショコラは安心して食べられていいゲス」


「ちょ、そういう意味でのなんとかじゃなくて、このクマをなんとか……いたたた」


「それでは……最初のエピソードは、ショコラが強豪たちを爆破した例のレースゲームの大会の決勝エピソードをやるゲスよ」


 今日もお屋敷は平和だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る