第2回人気投票特典

第2回人気投票結果発表

 柚子の香りが漂うぬくぬくとした温泉の中に3つの頭を持つ1匹の犬が浸かっていた。


「気持ちいいでゲス」


「温泉は最高でヤンス」


「わかるニャー」


 柚子湯に入っているカピバラの人気にあやかろうとしているゲスなケルベロス。


「何してるんですかセサミ。私が折角ご主人様のために掘り当てた温泉に何してくれてるんですか」


 畜生が入る想定でない温泉に毛むくじゃらの物体が入っていることに、ショコラは憤慨している。湯に浮かんでいる黒色の毛を見てショコラはため息をついた。それに対して目を細めて極楽を漫喫するセサミ。四つん這いでいることで凝り固まった筋肉が癒されているのを感じている。


「全く。人気投票の結果発表をしなくてはいけない時に何をしてくれてるんですか……それでは、人気投票の結果発表をしますよ。今回は諸事情により、6位までのキャラが特典の対象ですよ」


 ショコラが軽く咳払いをする。そして、結果が書いてあるカンペを取り出して読み始める。


「行きますよ。第1位は相変わらずお強いですね。お師匠様です。そして、第2位は、これまた前回と同様にお父様である賀藤 琥珀様です。そして、3位がお父様のご友人の椿 勇海様。4位が……これまたお父様ですね。なぜか偽者扱いされて別集計になったみたいです。そして、5位は前回惜しくも11位だった椿 莉愛様。今回は見事に特典を得ることができました。そして、6位が時光 翔也様と魚住 龍之介様です。お2人共初登場ですね、おめでとうございます」


 ショコラが笑顔で手を叩いて上位入賞者を祝福した。しかし、その一方でセサミは不服そうな顔をしている。


「なんでセサミが入ってないでゲスか?」


「ゲスな性格がバレたからじゃないですかね?」


「ぐぬぬ……」


「まあ、真面目な考察を致しますと、セサミは本編ではほとんど出番というか見せ場がありませんでしたからね。それに対して、人間キャラはどんどんキャラが深掘りされていくのでセサミが下がったというよりかは、相対的に人間キャラに注目が集まったものだと思います」


「最近動物キャラが増えすぎでゲス。セサミの専売特許がなくなるでゲス」


「私は相変わらず唯一無二のサキュバスですので、需要は尽きることはありませんからね。くすくす」


 ショコラに煽られた後にセサミは温泉からあがった。そして、ショコラの足元にすり寄るように近づき、彼女の足元で思いきり体をぶるぶると震わせて水気を飛ばした。当然、水はショコラのロングスカートに付着する。


「きゃ! ちょ、セサミ! 何するんですか! 私のお気に入りのメイド服に対して! この服が着たいがためにこの仕事をしているようなものなのに!」


「犬を嗤うものは犬に泣くでゲス。ゲースゲスゲス」


 相も変わらず仲良く喧嘩している1人と1匹なのであった。


「特典の個数に関しては、お師匠様が2作。お父様が2作。その以下は1作を予定しております。楽しみにお待ちくださいませ……あー。このスカートどうしましょう……」

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