コンペ終了後

前語り

 爽やかな潮風が吹く砂浜にて、白いフリルのついた水色の水着を着ているショコラがビーチパラソルの下で涼んでいた。その周囲には、色黒の海パンマッチョ野郎がいて、それぞれポーズを決めていた。


「みな様ごきげんよう。私は今、休暇を取ってマッチョたちとお楽しみしている最中です。マッチョと言えば、コンペですね。本編では、コンペ終了後の反応はお父様とお師匠様しかありませんでした。この番外編では、本編では明かされなかった他の参加者の反応を見ていきたいと思います」


 観測されたことに気づいたマッチョたちは、画面に向かってポーズを決めて、ニヤリと笑って白い歯を見せた。


 一方で、セサミは砂浜に跳びまわっているツチノコを追いかけまわしていた。


「待つゲス! 美味そうなツチノコでゲス!」


「犬は元気ですね。ツチノコなんて希少な動物を追いかけまわしてますよ。ちなみにケルベロスは現世では、幻の存在ですけど魔界ではその辺にいるので希少でもなんでもないですよ」


 マッチョとツチノコが画面を埋め尽くすという地獄絵図。マッチョが好きな人ならたまらない光景だけど、そうでない人にとってはただの暑苦しい光景である。


「マッチョはいいですよね。精がいっぱい詰まってそうですし。ふふふ、それでは私たちがバカンスに興じている間に、みな様は番外編の方をご覧ください。それでは……どうぞ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る