人気投票上位キャラ特典

最後の部はじまるよー

 パチパチと火が弾ける音が聞こえる。お屋敷にある暖炉に薪をくべているショコラとセサミ。薪を咥えたセサミから、それを受け取り暖炉へと放り投げるショコラ。


「これくらいでいいでしょう……おっと。そろそろ来る頃だと思ってましたよ」


 観測されたことに気づき、画面に向かって語り掛けるショコラ。セサミは燃えない程度の距離まで暖炉に近づき、伏せの体勢を取り暖炉を陣取る。最も優れたポジションを先に確保する犬。縄張りを先に確保したもの勝ちという思想を持っている実に畜生らしい行動と言える。


「今、こちらは寒い時期ですからね。みな様も体調を崩さないように気を付けて下さいね。季節の変わり目は心身共に崩しやすいのでご自愛なさってくださいね」


 献身的な態度を見せるショコラ。仮にもメイドであることから、そうしたことは自然とできるのだ。


「人気投票の企画もいよいよ大詰めですね。残っているのは4名。8位の里瀬 匠様。9位の八城 辰樹様。そして、10位のお爺様と政井 夏帆様ですね」


 本人の知らないところでいつの間にかジジイ扱いされている賀藤 彩斗。息子が、娘を作ってしまったので仕方ない。それが自然の摂理というものだ。


「成人男性に囲まれる女子高生の図。なんだか不穏な雰囲気ですが、2人は既婚者で子供有りですし、もう1人は人間の女性に興味ないので全くもって健全ですね。間違いが起きようがありません」


 中には既婚者で間違いを起こす人もいるけれど、サキュバスが間違いを起こす気配を感じないのであれば、それは安泰だ。


「方針としましては、それぞれの学生時代を描きたいですね。匠様は高校生時代を、八城様は大学生時代、お爺様は高校生時代、政井様は中学生時代のエピソードを考えております……人気投票特典の学生時代エピソード率高くないですかねえ。作者の下垣にワンパターンすぎると文句言った方がいいですよ」


 ショコラは文句言った方がいいと言っているが、作者はクレームを受け付ける気は毛頭ない。キャラクターの過去を掘り下げるエピソードは、番外編として書きやすい手法の1つである。逆に主要キャラなのに、そのキャラの過去を容易に想像できないのならば、キャラクターの作りこみが足りないということだ。


「なんかナレーションがキャラのことについて色々と語り始めましたし、これ以上語られる前にさっさと始めますか。これは創作論ジャンルではありませんからね」


「ショコラとセサミの創作論コーナーとかやったら受けるんじゃないんでゲスか?」


「あなたは自分のコーナーが欲しいだけでしょ。セサミの目立ちたいという下心は置いといて、匠様のエピソードから始めますね。それでは、スタート!」

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