本質と根拠を求めて
その人の性格や問題解決方法は、その人かどのように脳を使ってきたか、どのように、学習、行動、その結果からどんなフィードバックを受けてきたかによって形作られていくのではないでしょうか。
好ましい結果の背景には必ず、思考、推論、行動があります。好ましくない行動をとる人はなぜそのような行動のパターンを繰り返すのでしょうか。好ましい結果を出し続ける人はなぜその結果につながるように、学習、行動、フィードバックを繰り返すことができるのでしょうか。
努力が足りない、意思が弱いから目的を果たせないということも、一理あります。しかし自分か思考、推論、行動を行い、その努力が報われることを実感できず、努力の質や方向に、より多く迷いや苦難が伴うとしたら、どうでしょうか。
努力や意志の強さの問題を提起するだけでは解決しません。
人には特性があり多種多様な個性があります。
物ごとをつきつめ、研究することに向いている人、直感で物事をとらえ、行動していく人、人との対話を好み、信頼関係を大事にしていく人、
どのような特性の人にも、視点を変えて見ると長所短所があり、裏と表があり、いつどこでつまずき転落するかわからないし、どこで努力が実り、成功するかわからないはずです。
問題解決を重ね、試行錯誤しながら生きていくために、思うような結果がともなわなくても、自分で納得して判断、行動し、さらに自分の行動に責任をとっていくことができるようにすることの本質は何なのでしょうか?
根性や愛情、心の強さという表現よりももっと具体的で科学的に言い表すのであれば、それはどのように脳の中の神経回路を働かせることができるかということなのかもしれません。いかに自分にとって、可能であれば周りにとっても好ましいと思われる方法で、さらには自分の特性に合った方法で、問題を解決できるかということです。なぜこう思うか、なぜ自分と相手と意見が違うのか、どれだけ、なぜ?とのように?と瞬時に、あるいは時間をかけて、問いを重ねて思考、推論、行動をすることができ、脳の働きを強化することができてきたか、ということが、その人の成功の本質です。
自分の意図を言葉にする、行動にする、ということも重要です。相手の言葉や態度などから情報を受け取り、大脳皮質で理解、処理する時には、前頭前野の働きにより、自分だったらどうするか、自分の問題のように想像することをしてきたでしょうか。
また自分の思うことを言葉にし、誰かに受けとってもらうことの経験を積んできたでしょうか。自分の経験や、ときには他の人の経験の情報を大脳皮質に蓄積し、ときに前頭前野で有効な情報として処理するための神経回路を鍛えることができたでしょうか。
数ある経験、記憶の中でいかに有用な情報を引き出し、目的のために使用することに、行動を組み立てることができたでしょうか。「あの時、こうやったから〇〇ができるようになった。あのときこんな失敗をしたのはこうだったから。」と言えるでしょうか。
挫折も成功も、嬉しいことも悲しいことも自分のものとして、やるもやらないも自分の思考、意志次第、自分の感情、行動の有効性を実感しながら生きてきたか、ということは、人生の質は確実に変えまると思います。
問いや試行錯誤をやめてしまう、考えて解決することをやめてしまう。つまり大脳皮質に受け身の情報は蓄積していくけれど、他の情報との照合や前頭前野での使用を行わず、能動的に脳機能を駆使することをやめてしまうと、どうなるでしょうか?
物事の本質を理解しようとする力も、そこから違う出来事への対処に応用していく力も、発揮することが困難になるのではないでしょうか。
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