第20話 レッツ・ゴー プール!

「よし、行ってきます」


「は〜い、いってらっしゃ~い」




私は家を出て少し行ったコンビニで

カレンを待っていた…


「…あいつ…遅くないか?」


もうかれこれ30分経つ…何かあったのか?


「ねぇ〜お姉さんいま暇?」


最悪だ、ナンパか…


「いえ、今は連れを待っていて」


「少しあそこでお茶しない?」


この男…ポケットに何かあるな…しかも形からして注射器か…


「いえお断りします」


「いいじゃん」


男は方を回してきて、ポケットの中の物を取り出した。


「…」


私が気づかないとでも?


「!」


「この注射器なんですか?」


「こ、これは…その…」


「…最悪ですね」


「うぐっ…」


ま、このタイプはおそらく媚薬だろうな、こんな物に頼らないと女を作れないとは、呆れたものだ。


「お、ユリア!待った?」


カレンが急ぎ足で駆けつけてきた。


「まったく、十分以上遅刻だ」


「ごめんごめん、でお兄さんは誰かな?」


「…」


男は去っていった。


「あんの男、私を見てすぐに去っていくとは…失礼な奴ね!」


「むしろ去ってくれて助かった」


「さ、行きましょ、剛くんは現地集合だから」










プールにて。


「…お、ユリアさんお久しぶりです」


「剛君、久しぶり」


「カレン、なんで俺も一緒なんだ?」


なぜか俊治さんも居る、おそらくカレンに無理やりつれて来られたのだろう


「いいじゃん!別に!」


「…たまたま休みだったから良かったが」


「俊治君の休みの日ぐらい知ってるもん」


「なんで知ってるんだよ」


「ふふふ、それはナイショ♡」


「うわぁ…」


「ちょっと!ユリア!変な目で見ないでよ!」


「変な目で見られるようなこと言うからだろ」


「…流石に俺は見られてませんよね?ユリアさん」


「いくら私でもそんなことはしない、というか休みのやり取りこそ醍醐味みたいなものだ」


「流石ユリアさん俺と同じ考え方ですね」


嬉しいな、同じとは。


「…ラブラブね〜」


「な〜」


仲いいなそっちも。


「さて、早速入場しましょうか」









某プール施設


「さて、男子はあっちね」


「わかってるよ」


「じゃあ先に行ってますね」







女性陣


「…カレン」


「ええ…」


「「何で姉さん(ジュリア)がいるのよ!?」」


「あら偶然ね」


「確信犯でしょ」


「そういえばプールって言ってたな…」


「まさか同じところとは思ってなかったわ」


そう言うと姉さんは服を脱ぎ始めた。


「「…」」


私たち2人は姉さんのスタイルに絶句していた…


「…カレン大丈夫か?」


「…ボン・キュッ・ボン…」


「カレンしっかりしろ!!傷は深いぞ!!」


駄目だ!姉さんのスタイルを見て自我が崩壊し始めてる!!


「どうしたの?」


「く、来るな!私のそばに近寄るなぁぁぁぁ!!!」


「カレンーン!!」


「うるさい」


「「すみませんでした」」


ガチトーンで怒られた。






プール


「さて、剛君、正気を保てよ?」


「ええ、大丈夫です」



「すまない、少し遅れた」


「おお〜!久しぶりのプール!」


にしても…人が少ないな


「くっ!…大丈夫か!?剛君!」


「ええ…致命傷ですみました」


何をしてるんだ?あそこの二人は。


「そういえばジュリアは?」


「あれ?居ないな…」


「ジュリア?」


「誰ですか?」


「いや、何でもない…」


どこかに行ったのか?


「ま、それは置いといて…男子諸君

さっきから後ろを見てるけど…」


「…お空キレイだな〜」


「おい」


「…」


「何か言うことあるでしょ?」


カレンが俊治さんに詰め寄る。


「と、とてもお似合いですね…」


「ありがと!」


「ユ、ユリアさんも…その、とても似合ってます」


「あ、ありがと」


「さ、泳ぎましょうか!」







剛視点


「…まさかここまでとは」


俺は改めてユリアさんの身体能力を再確認した。


「タイムは?」


「じゅ、30秒です…」


50メートルのギネス記録に近いタイムを叩き出すとは…


「う〜む、納得いかん…」


「ちょっとユリア、あんたもっと楽しみなさいよ」


「…お前はエンジョイしてるな」


カレンさんは主任に浮き輪を引かせていた。






ユリア視点


「…なら楽しむとしよう」


「何します?」


「そうだな…」


私が出来るのは…あ


「そうだ、私あのスライダーに乗りたい」


「お、いいですね行きましょう」








…私は今猛烈に後悔している。


「ユ、ユリアさん…これ…」


「な、何メートルあるんだ?」


断崖絶壁かのような殺人スライダーを目にした。


「滑ります?」


「わ、私は…」


ここで逃げるべきか?


「…いや、滑ろう」


「わ、わかりました」


とりあえず座ってみるが…


「…(こ、怖い…)」


私、実はちょっとした高所恐怖症なのだ…


「…行きますよ」


剛君が私を後ろからボールドし、前に進む…ん?


「剛君?」


「い、行きますよ」


まさか…ホールドされるとは…というか、剛君は意外とガッチリしてるんだな…特に腹筋辺りが…


って何てこと考えてるんだ!?私!?


「わぁぁぁぁぁ!?」


そんなことを思っていたら…


「ひゅっ…」


私は…もう二度とあのスライダーには乗らないと決心した…








「…ちょっと?大丈夫?あんた達」


私たちはプールサイドで寝そべっていた。


「…あれは今すぐ撤去すべき物だ」


「…凄かったですね」


「あれって…確か…」


「ああ」


「「殺人スライダーだな」」


「…名前ですか?それ」


「ああ」


「まさか名前を確認しないで乗ったの?」


「ああ」


「…まぁ、ゆっくり休みなさい」


「そうします…」









カレン視点


「…はぁ全く、ユリアは剛君が絡むとポンコツになるんだから」


「それが魅力の1つなんじゃないか?」


まぁそうなんだけどね〜…


「…でも、剛君がどう思ってるかわからないわ」


「結構心酔してるみたいだぞ?」


「聞いたの?」


「興味本位でな」


「へぇ〜」


「さて、俺は少し泳いでくるとするかな」


「なら私は二人の世話をしてるわ」


「よろしく」

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殺し屋?いいえうちの嫁です 番外編:『殺し屋ユリア』の過去 沙水 亭 @shastytpp

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