第19話 熱中症注意報

「…しんどい」


「え…珍し…ユリアが…」


私は現在炎天下の中任務を済ましてきて少し熱中症気味である。


「何かいる?」


「休ませて」


「そうね、少し休憩にしましょうか」


私たちは木下のベンチで休息をとった


「は〜涼し〜」


「ふいー」


「ねぇユリア」


「ん?」


「今週の土曜日予定ある?」


「今のところ姉さんの介護ぐらい」


「ジュリアはそんなに年取ってないわよ、そろそろ肌が怪しい頃だけど」


「絞められるぞ?」


「それは置いといて、どうなの?」


「特には」


「じゃあプール行きましょ、プール」


「なんでまた」


「え?暑いから」


「二人でか?」


「どうする?剛君誘う?」


「…」


…剛君の水着…か…というか私水着持ってない。


「ほほ〜ん」


「…なんだその目は」


「いや?やっぱユリアも女の子なんだぁーって」


「どういうこと?」


「それはそれとして、行くの?」


「…行く」


「よし!決まりね!」


「1つ質問」


「はい!なんでしょう!」


「水着持ってません」


「…よし!今から買いに行くわよ!」


「今から!?」


「今日金曜日よ!?」


「そうだっけ?」


「ボケてんじゃないわよ!」






大型ショッピングモール


「あったあった」


「いろいろあるな」


水着はかなりの数があった、しかし多すぎでは?


棚4つ分くらい全て水着なんだが。


「あっ、これとかユリア似合いそう」


「これか?」


「そうそう、フリル付きの水着」


「ふむ、これなら露出は少なくて済むな」


流石にビキニとかは派手すぎて私が嫌だ。

それに下着より布面積少なく無いか?


「とりあえず試着試着」





「どう?ユリア」


「…キツイ」


「あら、少し小さかったかしら、ならこれはどう?少し大きいけど」


「…ふむ、丁度いい」


「…そう(圧倒的に私より胸囲あるわよね、ユリア…年下のくせに)」


「なんだその目は」


「いや〜?何も?」


「…そうか(少しキツイが、まぁいいだろう、ブカブカより全然良いし)」


私は人知れずカレンのヘイトを買っていた。





「いい買い物をした」


「良かったわね」


「あぁ、私自身あんまりお洒落はしないからな」


「勿体無いわよ?結構顔立ち良いのに、それにスタイル抜群じゃない」


「そ、そうか?」


言われると恥ずかしいな…


「剛君は正直勝ち組の部類よねぇ〜」


「そうなのか?」


「まぁ、職業が殺し屋なのが少し痛いところね」






自宅


「ただいま」


「お帰り、あらかわいい買い物袋ね」


「あ、姉さん明日は自分でご飯作ってちゃんと起きて」


「え?ユリア、朝からどこか行くの?」


「プールに行ってくる」


「あら、奇遇ね私もプールなの」


「姉さんも?仕事は?」


「もうすでに明日の分のは終わらしてきたわ」


「そうか…まさかとは思うが同じ場所?」


「多分ね〜」


「…そうか(姉さんが来るのか)」


というか姉さんと剛君が始めて顔を合わせるのでは?


「姉さんは1人なのか?」


「そんなわけないでしょ?流石にプールに1人では行かないわ」


「師匠もか?」


「そうよ?」


「師匠も仕事を?」


「彼なら既に1週間分の仕事終わらしてるわよ」


「流石師匠」


「それにプールの次の日はスウェーデンに行くって言ってたわ」


「元気だな…」


「ほんと、化け物体力よ」


「その話は置いといて、そうか姉さんも来るのか」


「嫌?」


「嫌」


「ショック!!!」

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