第16話 バレンタインデーチョコは何味か?

「…どうしよう」

私は現在とある会社のエントランスにいる。

「思いつきで来たはいいもののどうしようか…」

う〜む、正面から行こうにも絶対弾かれるし…

「…そういえば昨日姉さんにもらったカードキーって…」

思いつきで専用入り口にあるカードリーダーにカードキーを通してみると。

「…開いちゃったぁ」

まさか開くとは思ってなかった…

「とりあえず…どうしよう…」

来たはいいもののどうやって中に入り、渡そうか…

「…ユリアさん?」

「?」

誰だ?私の事を知ってい人間はこの会社では極少なはずだが…

「…何者?」

「…君がユリアさんだね?」

「…そうだが」

「君のことは知り合いから聞いているよ、さて何の用かな?」

「…渡し物があってな」

「その包を渡しに来たと?」

「…」

「ふむたしか今日は2月14日バレンタインデー…わかった剛君に渡しておこう」

「何者だ?」

「私は剛君と同じ部署の者だ、知り合いというのは君の…いや止めておこう」

「…ならこれを剛さんに」

うけたまわった…最後に1つ」

「?」

「剛君は以外に鈍感だ」

「…そうなのか?」

「あぁ鈍感さびっくりするほど」


私は会社を後にした。




社内にて…

「剛君〜、差し入れだ」

「あっ、主任ありがとうございます」

「ちなみにこれはユリアさんからだ」

「えっ、ユリアさん?」

「さっき『エントランス』にいてね、渡してくれと頼まれたんだ」

「…そうだったんですか」

「ふふふ、君の為にわざわざ来てくれたようだよ?」

「…そういえば今日はバレンタインでしたね」

「そう、ということは?」

「…本命か義理かは後にして、来月に3倍で返すとします」

「ははは、そうだね」

「う〜んにしてもチョコ3個は流石に雑ですかね?」

「まぁ、うん流石にそれは問題どころのレベルじゃないね?」

「…どうしましょう?」

「そうだね…レストランはどうだい?」

「レストラン…ですか?」

「そ、よく漫画とか映画で見るだろ?レストランで美女と会話するシーン」

「それ…だいたい美女側が暗殺者とか殺し屋とかなんですけど」

「彼女は殺し屋だよ?国家が認めた」

「というかこの国は殺し屋を正規雇用するんですね」

「まぁ殺し屋と言うと響きは悪いが殺すときは稀だからね?」

「あっ、そうなんですね」

「そ、基本はボディーガードとか警察の訓練とか、あと浮気調査とかやってるらしい」

「もうなんでも屋ですね」

「そうさ、万事屋なのだよ」

「それで話を戻しますけど、レストランですか…良いとこ知らないんですよね」

「なら教えてあげるよ」

「本当ですか?ありがとうございます」

「そうだ、剛君今夜は暇かい?」

「暇ですけど」

「その店に案内しよう!」

「早速ですか」

「まぁ実地体験ってやつさ」


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