第14話 共同任務 後編

「さて、なにも起こらないと良いんだが」

「おいユリア、それはフラグだ」

「そうだろうか?」

そんな都合よくことが起こるわけ…

「大変だ!!爆弾が発見された!!」

「「…」」

なんてこった…フラグを速攻で回収してしまった。

「とりあえず見てくる」

「はい」

師匠は警備員に連れられて行ってしまう。

「…ふふふ、後ろを取られるとは余程油断しているな?」

「何!?」

声がした方向を向くとそこには一人の男がいた。

「いつの間に…」

「ずっとさ…」

「気色悪いな、ストーカーみたいだ」

「ひどいな、ただだけなんだがなぁ?」

「なるほど」

どうりで気づかない訳か…まさか天井とは。

「さて、とりあえず大統領のところに案内してもらおうか」

「…大人しくはいそうですかと出来るものか、それにストーカーを野放しにして良いわけないでしょ」

とりあえず師匠が来るまで時間を稼ぐか…いや、師匠は爆弾処理で時間がかかる…となれば私がストーカーを倒すしかない…

「俺も女をいじめる気はねぇ、潔く案内すればそこで終わりだし互いに嫌な思いをしないですむ」

「私も殺し屋の端くれだストーカーの一人くらい倒せないでどうする?」

「面白い、やってみろ」

男が言い終わると同時に私は裏拳を繰り出した、手応えあった…しかし。

「おいおい、ほんとに女か?手が痺れたぞ」

片手で受け止められてしまった。

「何を言う可憐な乙女だぞ」

「可憐なゴリラの間違いだろ」

「可憐な乙女だって言ってるでしょ!」

ハイキックを繰り出してみる。

「おっと、流石に危ない」

「ちっ」

避けられた、明確な隙を見つけないと駄目か。

「さて、こっちから始めさせてもらう、ぜ!!」

「くっ!?」

しまった!腹に一発入れられた!!

「おいおい、頑丈だな割と本気で入れたつもりなんだが」

「乙女相手に容赦無いな」

不味いなこのまま行けばまず負ける。

「ならば、スゥー、不審者が居るぞーーー!!!!」

「!?」

助けを呼ぶ!!これで!

「ふん!!」

「ガッ!?」

顔が痛い!?まさか…

「ちっ、脳筋かと思っていたが利口だった」

思いっきり殴られたか。

「さて、大統領の居所を教えて貰おうと思っていたが、殺るしかないな」

「殺られてたまるか!」

様々な攻撃を繰り出すが全部避けるか受け止められてしまう。

「そろそろ終わり、だ!!」

「!?」

声も上げられないほどの激痛が私を襲った。

「はっ…はっ」

息をするのもままならない、恐らく骨を折られている。

「さよならだ」

男は銃を構え銃口は私の頭部を捉えていた。

「すまんな、延長だ」

男の背後に一人立っている者が居た。

「何!?」

「し…しょう…」

「すまん遅れた、少し待ってろ、さて、うちの弟子が世話になったな」

「ゴリラの師匠か…手応えありそうだな」

「ははは!俺からすれば遊び相手にちょうど良いな!」

「言ってろ!!」

男は単純な拳を放つが師匠は片手で止める。

「なるほど、良い拳だ、さて俺のターンだ」

次の瞬間ゴキッと音が鳴った。

「ぐおおお!?う、腕が!!」

師匠はどうやったのか男の手首の関節を外した。

「さて、お前は行動不能、ならまた俺のターンだ」

師匠は腹に一発入れる。

「ゴボッ」

なんと男は血を吐き出した。

「おっとすまん、やりすぎた」

男は吐血と同時に気絶したようだ、反応が無い。

「さて、よっこいしょ」

師匠は私を持ち上げると。

「よく持ちこたえた、ゆっくり休め」

私はそこから気を失った。





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