第7話 真実
「『ローズ』はその当時のBOSSを…」
「BOSSを…」
「殺害したのよ」
「…え?」
私は驚きのあまり思考がうまく回らなかった。
「…ローズは前BOSSのやり方にとても非人道的だったのよ」
「どんなやり方だったんだ?」
「…ターゲットや裏切り者を見世物として殺害、拷問していたの」
聞いていた話と同じだ。
「…それで師匠が」
「えぇ大激怒よ、私もその現場にジュリアといたけど…恐怖のあまり足がすくんで動けなかったわ」
「その現場で前BOSSを…」
「そ。ローズが殺したわ、その後やってきた幹部が『ジュリアの手でローズを殺せ』と
『依頼』されたわ」
姉さんにそんな過去が…
「ジュリアは泣いたわ、だって同じ時期に入った同僚でとくに仲が良かったのよ」
「…それでどうなったんだ?」
「私が前BOSSがしてきた非人道的な所業を公開したのよ、それで事は収まって別の幹部がジュリアをBOSSに任命したの」
「それで今に至ると」
「そ。貴女は耐えられる?愛する人をその場で殺せと」
「…私にはわからない、愛せる人と未だに出会ってない」
「そう、でもねそのうち出来るわ」
出来るのだろうか?こんな私に興味を持ってくれる人が…
「貴女はジュリアに似てるもの」
「…よく言われる」
「ふふ、その反応もそっくりね」
「…さっさとこの場から離れよう」
「そうね、早くしないと足が着いちゃうわ」
こうして私の初任務は終了した。
数日後
「たっだいま~!ユリア~!」
バァン!と姉さんが扉を突き破る勢いで帰宅してきた。
「おいおい、扉が悲鳴上げてんぞ」
師匠がギィギィ言う扉を抑えながら入ってきた。
「お疲れ様です、師匠」
「ねぇ、ユリア?私は?ねぇ私は?」
「おう、結構ハードな依頼だったぜ」
「お茶入れますね」
「すまんな」
「ねぇユリア?私にも労いの言葉は?」
「姉さんうるさい」
姉さんはわかるようにショックをうけ師匠に抱きついた。
「…うぅローズ…ユリアが…ユリアが…」
「はいはい、えらいえらい」
「ぐすん」
こう見ると本当に仲が良かったんだな、とかんじる。
…もしかしたら恋仲なのかもしれない。
「はい、お茶です(´∀`)つ旦~~」
「お…おう」
ニコニコしながら渡したら少し引かれた。
「あ…そうだ、ユリア」
唐突に呼ばれた。
「?はい」
「初任務はどうだった」
「一応成功しました」
「…カレンはどうだ?一応次回から正式なお前の
「…時々ムカつくこともありますが腕は確かでした」
「そうだろうな、あいつもSランクだ」
「そうなのですか」
「…ユリア、お姉ちゃんも頑張ったんだけど…」
さすがにかわいそうになってきたので。
「…姉さんお疲れ様」
「ありがと」
「師匠はこれからどうするんですか?家に泊まるんでしょうか」
「ん?俺か?そうだな、まぁそろそろ帰るとするか」
「ユリアお姉ちゃんもローズと一緒に泊まってくるわ」
「?なんで」
「明日も任務なのよ、それも結構遠めで朝早いの」
「…そうか、それじゃあ今日も一人か…」
「あぁその事なら心配ないぞ」
「え?」
「カレンが家に来るのよ」
何を言ってるんだ?
「えっと…どうゆうこと」
「カレンちゃんがcam home」
「一部英語にしろとは言ってない」
「ま、カレンが来るとは思ってくれ」
師匠たちはすぐに家を出ていってしまった。
家のチャイムが鳴る、私の静かな夜が終わる、そして。
『やっほ~カレンお姉さんだよ~』
まだ疲れを癒してはくれないようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます