第4話 実戦と出会い

訓練の帰りに私は少しコンビニに寄って飲み物と食べ物を買いに行った。

「ふむ、新作のスイーツ…しかしなかなかの高カロリー…訓練したとはいえさすがに…」

女として生まれたからなのだろう体型を維持することに意識してしまう。

「…今日はやめておこう」

私は飲み物と食べ物だけを買って帰路についた。

「…やぁ君が『ユリア』?」

深くフードを被った(声色から察するに)女に声をかけられた。

「…何者だ」

「私はね君を…」

女はジリジリとこっちへ寄り。

「殺すために来たんだ」

懐に入られた!

「くっ!」

ここで師匠に教えられた近接戦闘が活きた。

「お?」

私は無意識ながらも女を巴投げした。

「やるねぇ!」

女はナイフを持っていた。

「これで終いだよ!」

懐に入り込みナイフを刺される!まずい…殺される!

「危ない!」

横から男が現れ女にタックルを食らわせた。

「今です!逃げましょう!」

私は男に手を引かれその場を後にした。


「ここまで来れば大丈夫でしょう」

私達は離れた公園のベンチに腰かけていた。

「君は?」

「僕はたけるって言います、それより怪我は?」

「無い」

まさか男に助けられるとは…

「あなたの名前は?」

名を聞かれた…教えるべきなのだろうか?

「私は…ユリアだ」

「ユリアさん?もしかして外国の方で?」

「いや私は日本育ちではあるが母が外国の者でな」

「どこの国の方で?」

「わからん、母は教えてくれなかった」

「そうですか…」

「さて、私は帰るとするよ」

「あ、これ忘れ物ですよ」

買い物袋…あの時落とした。

「ありがとう」

「どういたしまして」

不思議と私は上機嫌で家に帰った。

この事は姉さんに話したが姉さんは何も知らなかった。

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