第3話 きばらし

俺は今日も爺ちゃんのところで修行をする。



「ところで万象、なぜ今修行をするのかね。」



「いやぁ、それなんだけどヤンキーのお頭に喧嘩売られたんだよぉ。」



体育祭のことや號のことクラスのこと俺は隅から隅まで話した。



「ホッホッ。そうか、そうか。それは大変じゃのぉう。どうじゃ、少し"気晴らし"に着いてこい。」



俺はまたお茶でも入れるのかと思っていた。俺と爺ちゃんは山の中を歩き、零会一昇堂(レイカイイッショウドウ)に案内された。



「なんだ、この不気味な家は…。」



古い腐った木でできており蜘蛛の巣や穴が空いている。



「ここはワシと婆さんが若い時に一緒に座禅をした場所なんじゃ。万象もここで、精神を統一するといい。」



こんな場所で精神統一はできないと心の底から思った。


でも、一象が言っていることはホントなんだろうし少しだけ信じてみた。



長い時間が経った。



とてつもない時間が経った。



そこで、何時間を過ごしたことか、俺は覚えていない。ただ気がついたら朝早く来たのにもう外が暗くなっていたことだけだった。



「万象や、やっと集中が切れたのぉ。

じゃがわしは2日耐えたこともあったのぉ。」



「爺ちゃん底知れねぇなぁ…!!」



集中力は何においても大切だと昔一象から学んだ。



それは相手を見極めるのにも必要だと。





その頃…。



ある、崖の上で…。




「なぁ…。ほんとにあの街潰すつもりなのなの?」



そう言いながら忍羅が住んでいる街を見つめる女。



髪は黒く、長髪だがツインテールに結んでいる。


二の腕にはKと書かれた焼印が押してある。



「あぁ…。あそこには宝石より高い値がつく種族が多いんだよ。

分かったかK(キバ)。」




スーツ姿でくしゃくしゃな水色の髪でだるそうな男が喋った。



「はぁーいなの!!楽しみなのね!

ほんとはL(ラシ)も興奮気味なのでしょう?」



「うるさい。"気晴らし"に行くぞほら。」



號との決戦まであと12時間…。

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