第2話世界が海に満たされる日

どうしようもなかったね

何もかも失われてしまうぐらいなら

せめてきみひとりだけでも

私のものにすればよかった

藤色のリボンで手首を結んで

シーツの海に投げ出されても

わたしたちはふたごだもの

永遠に分たれることのない

共感と官能と未知への期待ドーパミン

こころをつないでくらげになって

やがてひとつに還る日まで

さまよいつづけてもリボンは切れない

たましいがきみを求めていたのに

たったひとつの言葉すら完遂されないまま

海に満たされた世界でまた会える日は

もうこない

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