第102話 秋(夏)③
処置室ユニットに入ると、すぐ目の前に秋の体がある。
船に乗せるためにユニットをギリギリまで小型化したので、作業台と壁との隙間は50cm無い。
丈太郎は角に置いてあった医療廃棄物入れを持って反対側の角に避けると、夏を招き入れた。
「奥に入ってくれるか?」
夏は作業台を回り込んで秋の頭側に移動した。
「お姉ちゃん・・・。」
全てが真っ白な処置室で見る秋の体は血色こそ良いものの、夏と比べると生気に欠ける。
「手が要るときは声をかけるから、しばらくはそちら側で見ていてくれ。」
「お姉ちゃんを触っててもいい?」
「揺らさなければ問題ない。」
夏は秋の髪を整え始めた。
改めて姉妹を比べると、髪型こそ同じだが違いがあることがわかる。
夏が気にしていた胸は明らかに秋の方が大きく、仰向けで少し左右に流れているものの、明らかに標準より大きい。
そのせいか乳輪も秋の方が大きいが、これは夏のものが小さすぎるのだろう。
顔は明らかに姉妹だとわかるほどに似ているが、活発そうな夏に比べて秋はおとなしそうだ。
丈太郎が知る限り病死した姫に明るい表情の子はいないので、意外と生前は今の夏に似ていたのかもしれないが、茅野夫妻にとっては似ていない方が幸せだろう。
丈太郎は医療廃棄物入れを元の位置に戻すと、中のインナーコルセットとヒップリフターを器具が載っているワゴンの上に乗せた。
「それがお姉ちゃんの中に入るんですね。」
「そうだ。今から古いものを切り出す。」
いつものように秋の脚をM字に開かせるが、秋には子宮と卵巣が残っているので、会陰部からメスを入れて膣の後ろ側を切り開き、最初に手だけを入れてプリプリした子宮と卵巣がどこにも癒着していないことを確認した。
膣前庭を切開していないので秋の性器はその慎ましい佇まいを崩さずに丈太郎の目の前で開いている。
慣れた手付きで秋の肉の付いたインナーコルセットを切り出していると、秋の頬を撫でていた夏が手を止めてじっとこちらを見ているのに気付いた。
「大丈夫だ。お姉さんの体の中は君の口の中ぐらい血が止まりやすくなってる。」
「ううん。そうじゃなくて、お姉ちゃんのあそこ裂けてない?」
「裂けないように出産の時と同じ具合に少し切ってある。俺の腕2本より赤ん坊の頭の方が太いから大丈夫だ。女の子の体はそういう風にできている。」
「私も?」
「君もな。」
夏は自分の下腹部を押さえた。
夏の陰毛は水着からはみ出さないように縦長に整えられている。結構濃いが、丈太郎の目の前にある秋の陰毛は細い毛がちょろちょろ生えているだけだ。
遺伝子のいたずらで姉妹でも全く違うところがあるのは当然だが、胸はどうだろうかと丈太郎は余計な心配をしながら作業を続ける。
「今度は上半身に回るからこのケースのところまで来てくれるか?」
夏は医療廃棄物入れのところに来ると中を覗き込んだ。
「うわぁ。スペアリブみたい。先生。これ食べられる?」
「食べられるけど、法律で俺がちゃんと処分しなければならないことになっている。それにお母さんは料理してくれないと思うぞ。」
「あー。私、料理はダメなんだよねー。お姉ちゃんのお肉を不味い料理にしたら申し訳ないから諦めるよ。」
丈太郎は医療廃棄物入れを持ち上げると作業台にくっつく。
「狭いが後ろを回ってくれ。」
夏は丈太郎の腰を掴んで後ろを通ろうとする。
夏の柔らかいお腹が丈太郎の尻を刺激するが通れない。
「先生のお尻が邪魔で通れないよ。反対向いて背伸びしたらお尻が台の上に出ない?」
「こうか?」
丈太郎は医療廃棄物入れを差し上げて背伸びをして尻を作業台に引っ掛ける。
夏は丈太郎の脇に手を添えてその下をすり抜けた。
「おちんちんがもうちょっと元気だったら通れないところだったよー。」
丈太郎の陰茎は夏が通った後で彼女の下腹部に刺激されて上を向いてしまった。
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