第94話 懇親会③
突然部屋が明るくなった。
「お、何だ?」
「先生も慣れてきたでしょうから、もっと良く見えるようにしました。」
利奈の計画らしい。
「先生。さっきはすみませんでした。途中で力が抜けちゃって・・・。」
瞳が隣に移動してきた。
やはり距離が近い。
「いやいや、こちらこそ無理をさせてしまってすまない。辛かったろう?」
「いえ、変な感じでしたけどどちらかというと気持ちよかったです。」
「・・・まあ程々にな。」
「そんなぁ。自分でやったりしませんよぉ。」
脇腹に肩を擦り付けられた。
「おかげで肛門拳筋だけじゃなく括約筋の発達も違うことがわかった。ありがとう。」
「お役に立てて嬉しいです。」
瞳が嬉しそうにくっ付いてくる。
「ところで、今日はみんなが綺麗に見えるんだが、酒のせいか?」
「違いますよぉ。見学の時と違ってみんなお仕事用のメイクをしてますし、髪もちゃんと整えてるからです。利奈さんもちゃんと編み込んでるでしょう?」
「そうか!そういえば日向はいつも通りか。下は裸で首から上は営業用って訳か。そう思うとこれはなかなか刺激的だな。」
「すっぴんが嫌だから見学しないって子も多いんですよ。」
「裸を見られるよりすっぴんが嫌なのか?市川は・・・あれは参考にならんか。」
「岬ちゃんがお化粧したら不自然ですからねー。」
「子供が化粧した様になるだろうな。」
「私たちが綺麗に見えるのはお化粧のせいだけじゃないかもしれませんよ。」
向かいの席に移動していたゆかりが丈太郎の前に立つ。
「先生。狭い部屋の中に裸の女の子が5人もいるのに女臭くないと思いませんか?」
丈太郎の鼻先にあるゆかりの無毛の股間には光るものがある。
この距離なら女の匂いを感じるはずだ。
「鼻がバカになっているのか?」
「そうです。今この部屋に入って来たら女子更衣室の比じゃないほどの凄い臭いを感じるはずですよ。」
「換気扇が効いてるんじゃないんですか?」
「いや、隣の処置室が陰圧だからこの部屋に換気設備は無い。」
「最初、利奈と瞳さんのお尻を調べていた時は匂いを感じていたんじゃありませんか?」
「そうだな。それが一旦無くなって、そのあとで少しずつ濃くなっていったとしたら、匂いに気付かなくてもおかしくはないか・・・。」
「今は先生が思っているよりずっと凄い臭いになっていると思いますよ。どうしてみんながお尻にタオルを敷いているんだと思います?」
「もしかして尻が冷たいからだけじゃないのか?」
「瞳さん、先生にタオルを見せてあげたら?」
「イヤですよー。」
「じゃあ、いちばん凄いのを見せてあげます。」
「有里ー。先生が有里のタオルを見たいそうですよー。」
「えー。先生変態だねー。」
言葉とは裏腹に嬉々としてタオルを持って来た。
丈太郎に手渡された有里のタオルはぐっしょりと濡れている。
「これは、愛液か?」
丈太郎はタオルの湿った部分を指でなぞって鼻に持ってくるが、匂いを感じないので直接タオルに鼻を埋める。
「先生!私でもさすがにそれは引くわー。」
「ここまでやれば感じるな。つまりこの部屋はそれぐらいの臭いで満たされてるのか!」
「そうじゃなければ先生のおちんちんが何十分もこんな状態なわけがないと思います。思春期の男の子じゃないんですから。」
ゆかりがしゃがんでギンギンになっている丈太郎の陰茎を撫でた。
「辛かったら出して差し上げましょうか?」
「それをやっちゃあ練習にならんだろう?」
「綾ちゃん!そっちはダメだって。」
綾が利奈に抱きかかえられている。
「何やってんだ?」
「先生。綾ちゃん抱きつき魔みたいです。歓迎会の時はこんなことなかったんですが。」
「どうするんだ?俺に抱きついたんじゃあ本末転倒だろう?」
「先生が抱き付かれるのに慣れるなら練習になるんですが、綾ちゃんに記憶が残ったら意識しちゃいますからね。」
「綾ちゃん、こっちに隔離ですよー。」
「こっちも初回から本人に抱き付かれるのは厳しいものがあるからよろしく頼む。」
綾が利奈に連行されたので、ゆかりがそこに座った。
「先生、タオル返してよー。」
今更ながら匂いを嗅がれて恥ずかしくなったのか有里が懇願する。
「ああ、悪い。でもこれじゃあ役に立たんだろう?俺のでよければ交換するか?」
丈太郎が濡れていない自分のタオルを差し出すと、有里は赤くなって、もじもじしながら、
「先生が欲しいならそれでもいいけど持って帰らないでね。」
と丈太郎のタオルを受け取って行った。
「あいつは俺を何だと思ってるんだ?」
「有里が嬉しそうですからいいじゃないですか。」
「後で誤解を解いておいてくれよ。」
「お酌してくださったら考えます。」
ゆかりがぐい呑を差し出した。
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